虐待を経験した若者たちの声を映す「REALVOICE」
2023年4月、Amazon Prime Videoにてドキュメンタリー映画「REALVOICE」が全編無料で公開され、その衝撃的な内容が多くの人々に影響を与えています。本作は、虐待の現実を知ってもらうために、全国各地から集まった70名の若者たちが、自らの体験を率直に語るという形式で展開されています。
人々の声が集まった背景
この映画の企画・監督を務めるのは、山本昌子さん。自身も児童養護施設での生活を経て、現在はボランティア団体「ACHAプロジェクト」の代表として活動しています。彼女は、虐待を受けた若者たちの声を広めることによって、社会が抱える問題を明るみに出したいと願っています。 「REALVOICE」はその理念を体現する作品です。
映画は、ショートメッセージ、ロングインタビュー、そして日常生活の中での葛藤を捉えた体験談という3つのパートに分かれています。これによって、彼らの思いが多面的に描かれ、観る者に深い理解を促します。
増加する虐待相談件数
令和5年度には、275,509件の児童虐待相談対応件数が報告され、増加傾向にあります。このデータは、虐待がますます深刻な問題であることを示しています。しかし、同時に支援を必要とする家庭が埋もれてしまうという課題も浮き彫りになっています。本作では、保護に至らなかった虐待経験者の声も収録されており、彼らが大人になった今でも苦しみと向き合う様子が描かれています。
視聴者へのメッセージ
「REALVOICE」は、観る者に深い問いかけを行います。「虐待は自分には関係ない」という感覚を持っている人々にこの映画を通じて、身近な問題として捉えてもらうことを目指しています。時には告白のようなリアルな声に触れることで、多くの人が自分自身の生活と照らし合わせ、理解を深める機会を得るでしょう。
音楽との繋がり
この映画には、有名アーティストが楽曲を提供しています。主題歌には加藤登紀子さんの「この手に抱きしめたい」、挿入歌には一青窈さんの「耳をすます」が使われており、映画の感情的な深さをより一層引き立てます。アーティストたちはこの作品のビジョンに共感し、楽曲を無償で提供することを決意しました。音楽もまた、観る者に感動を与えています。
未来を見据えたメッセージ
「REALVOICE」は、映画を通じて一人でも多くの人に虐待の実態を知らせ、これまで届かなかった声が広がることを期待しています。自身の過去を受け入れ、未来の子どもたちに明るい未来を引き継ぐためには、社会全体の理解と協力が必要です。共感と支援の輪が広がることを、この映画を観ることで感じてもらえたら幸いです。
「REALVOICE」は、児童虐待の問題に真摯に向き合い、観る人々の心に響く作品として、多くの方に親しまれることを願っています。リリース後すでに73,000回を超える再生を記録し、全国各地で上映・講演会が続く本作。今後もその影響力は拡大していくことでしょう。
詳細情報は
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