杉良太郎が12年ぶりに舞台表現で昇華
歌手・俳優の杉良太郎が、11月27日(木)に東京のサントリーホール内ブルーローズで『第一回 杉良太郎に会いたい』を開催しました。 これは、杉自身初の講演や歌唱、舞台表現を組み合わせたイベントで、観客を魅了する素晴らしい時間となりました。
今回のイベントの中心は舞台表現で、杉が特に思い入れのある『旅鴉半次郎 ふりむけば夕陽』の一部を「本読み」として披露しました。彼の舞台活動は、1969年に京都・南座で座長を務めて以来約36年にわたり続いていますが、最後の舞台表現から12年が経過していて、その復帰は多くのファンに待ち望まれていました。
初の「本読み」披露
「本読み」とは、セリフと一緒に簡単な動作を交えながら台本を読み上げるスタイルです。この日の杉は、感情豊かに語り、ほとんど台本を見ずに3場を熱演しました。リハーサルではピンマイクを使用したものの、当日は臨場感を出すために地声を使い、熱演を続けました。
パフォーマンス後、随所で拍手が鳴りやみませんでした。杉は「お粗末な芸で、相手役を一緒に読むのは難しかった。年齢と共に純真さを失っている中で、人間としての純粋さの重要性を再確認した」と観客に感謝しつつ振り返りました。
また、「昔の自分の純粋さが無くなってしまった」と嘆いた杉は、再び童心に戻り、来場者に楽しんでもらえるようになりたいと語りました。
舞台『旅鴉半次郎ふりむけば夕陽』のあらすじ
この作品は、杉が1979年に初めて上演したもので、主人公半次郎の成長と彼の人間ドラマが描かれています。9歳の少年半次郎が、紅花問屋で苦しむ日々を送りながらも、一人娘のおようの優しさに救われます。17年後に再会するも、おようは辛い境遇にあり、半次郎は彼女を救うために様々な困難に挑むことになります。この物語は、愛と友情、犠牲、そして再生のテーマが込められており、多くの観客に感動を与えています。
舞台の魅力と杉の歌唱
杉は、後半では自身のヒット曲「すきま風」や「明日の詩」を熱唱しました。81歳とは思えない力強い歌声と情熱に満ちたパフォーマンスは、観客の心を掴みました。また、歌は彼の人生観やメッセージを反映しており、特に『愛の一滴』で少年院訪問の際のエピソードに基づいた思いを語り、感情深い一曲となりました。
新著『生涯献身』とさらなる活動
イベントの中で、杉の新書『生涯献身』が紹介され、多くの来場者が手に取りました。彼の福祉活動や芸能活動についての思いが詰まったこの書籍は、読者に感動と勇気を与えます。これを機に、彼の活動をより深く知ることができるでしょう。
最後に杉は、「今日という時間を大切にしていただきありがとうございます」と感謝の気持ちを示し、イベントを締めくくりました。これからの杉良太郎の活躍に、ますます目が離せません。