日本最古の絵の具店「上羽絵惣」への旅
冨永愛が毎週水曜日の夜に放送される番組「冨永愛の伝統to未来」第二十六回目の収録で、伝統文化の粋を体験するため京都に位置する日本最古の絵の具店「上羽絵惣」を訪れました。この店は江戸時代後期から270年以上の歴史を持ち、古き良き日本の色彩を今に受け継いでいます。
江戸時代の面影を残す店舗
上羽絵惣に足を踏み入れると、そこには江戸時代の風情が漂い、ずらりと並ぶ多彩な絵の具が目を引きます。特に、冨永愛がすぐに気付いたのが、絵の具のパッケージに描かれたトレードマーク「白狐」です。このデザインは約100年前に六代目が考案したもので、アール・ヌーヴォーの影響を色濃く受けたものとされています。
看板商品「胡粉」の制作過程
上羽絵惣の名物とも言える「胡粉」は、絵画に欠かせない白色絵の具です。冨永さんはこの胡粉が日本画の下塗りや様々な顔料と混ぜて使われていることを学び、その特異な製法には驚かされました。稲土舞夕子さんによると、胡粉は山のような貝殻を十年以上かけて風化させることから始まります。元々は牡蠣の貝殻が原料でしたが、現在は北海道産のホタテの貝殻を使用しています。