AAAのメンバーとして知られる與真司郎(あたえしんじろう)さんは、2023年7月に自らの同性愛を公表し、世間の注目を集めました。その後、2025年4月16日には自身のエッセイ『人生そんなもん』が出版されることが決まっています。このエッセイでは、幼少期から感じたセクシュアリティに関する明確な違和感や、カミングアウト後の心境を赤裸々に語ります。
與真司郎さんは1988年に大阪府枚方市で生を受け、京都府八幡市で育ちました。彼は家族の中で3番目の子供で、7歳上に姉、5歳上に兄がいます。幼い頃の記憶は曖昧ですが、特に幼稚園での出来事が心に残っています。お絵描きの時間にピンクの画用紙を選んだところ、先生に「ピンクは女の子用だよ」と言われたことが、彼の心に大きな影を落としました。
この出来事をきっかけに、彼は初めて自分のセクシュアリティに対する違和感を自覚します。「ただピンクが好きだっただけなのに、なぜ否定されて悲しかったのか?」今でもその感情は鮮明に思い出せるとのことです。このエピソードがもたらした「自己否定」の感情は、現在の彼の人格形成に大きく影響を与えていると考えられます。
また、與さんは、父親との関係にも言及しています。父親はDV気質であり、家庭内での暴力やモラハラは彼に深い傷を残しました。「偉そうなおじさん」を見ると嫌悪感を抱くという彼の言葉からは、未だに癒えないトラウマが伺えます。父親から十分な愛情を受けられなかった彼は、無意識のうちに「父性」を求める傾向があったと振り返ります。小学生の頃の野球のコーチの存在が、彼にとっての初恋だったのかもしれません。
「時代は変わりつつある」と言う與さんは、このエッセイを通じて、幼少期の経験が自身の人生にどのように影響を与えたかを語りつつ、今の社会についての想いも綴っています。彼は、セクシュアリティの多様性が次第に受け入れられるようになってきたことを嬉しく思いつつ、未だ理解が不足している部分もあると指摘。自身ができることを少しずつ進めていきたいと語ります。
新作エッセイでは、與真司郎さんの心の内がより深く掘り下げられ、彼の人生や経験が浮き彫りにされています。彼のカミングアウトに続いて、今後の社会の変化にも期待が持てます。詳しくは、エッセイ『人生そんなもん』を手に取って、彼の真摯な思いに触れてみてください。
書誌概要
タイトル:
『與真司郎フォトエッセイ人生そんなもん』
発行:
講談社
発売日:
2025年4月16日
価格:
1,980円(税込)
仕様:
四六判/160ページ
ISBN:
978-4-06-538728-3
購入リンク:
こちらからご購入可能です。
プロフィール
與真司郎(あたえしんじろう)1988年生まれ。京都府出身。AAA(トリプル・エー)のメンバーとして2005年にデビュー。2017年から2019年にかけて4大ドームツアーを3年連続で行い、ソロアーティストとしても活動。2023年7月、同性愛者であることをカミングアウトし、その後、ハリウッドで自身の人生を題材にしたドキュメンタリーを制作中。著書に『すべての生き方は正解で不正解』(講談社)があり、2025年に新作エッセイを発表予定です。