セイコー プレザージュ新作、無釉ダイヤルの魅力とは
セイコーウオッチ株式会社が、<セイコー プレザージュ>のクラシックシリーズより、有田焼を使用した新たなダイヤルの限定モデルを発表しました。このモデルは17世紀からの伝統を受け継ぐ有田焼の持つ温かい風合いと、繊細なデザインが特徴です。「無釉」ダイヤルを採用し、全世界で1,200本という限定品として、2023年7月11日(金)より発売されます。価格は264,000円(税込)です。
有田焼の深い歴史と無釉の魅力
有田焼は日本初の磁器として名高く、その歴史は400年以上にわたります。江戸時代から続く伝統的技術は、今なお多くのアーティストや職人たちによって受け継がれており、今回のモデルでは、汚れが付きにくい「無釉」という新たな技法が取り入れられました。この無釉の技術は、佐賀県窯業技術センターによって開発され、伝統的な有田焼の概念を刷新するものです。
釉薬を省くことで、有田焼本来のマットな風合いを引き出し、陶石の温もりを再現。特に、ダイヤル上に施された菱型文様は、子孫繁栄や無病息災を象徴する吉祥文様として、現代的なアレンジが施されています。このデザインは、古き良き日本の美意識を表現しており、まさに芸術品とも言える仕上がりとなっています。
製作における職人たちの情熱
今回の作品には、創業190年以上の老舗「しん窯」に所属する陶工、橋口博之氏の監修が受けられています。彼の技術と、後進の川口敏明氏をはじめとした有田の職人たちの見識が融合し、独自の強度を実現したダイヤルが完成しました。このダイヤルは、従来の4倍以上の強度を誇る磁器素材を使用し、鋳込み工程と1300℃という高温での焼成が行われます。この厳しいプロセスにより、耐久性が確保され、時計としての実用性も兼ね備えています。
艶やかな金色の針とインデックスがマットダイヤル上で独特の美しさを引き立て、全体的に洗練された印象を与えています。
SDGsを見据えた取り組み
セイコーウオッチは、国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)を鑑みて、時計製作だけでなく、伝統的な技能の継承にも力を入れています。新しいモデルのストラップには、LWG(レザーワーキンググループ)の認証を受けたレザーが使用され、環境に配慮した製品作りが行われています。ダイヤルを引き立てる黒の牛皮革は、さらなる高級感を醸し出しています。
まとめ
<セイコー プレザージュ>の新作、有田焼無釉ダイヤルモデルは、伝統技術と現代デザインが見事に融合した作品です。時計愛好者にとって、ただの時間を知る道具ではなく、日本の文化が凝縮されたアートピースとしての価値があります。限定1,200本という貴重性も相まって、興味深い一品となるでしょう。贈り物や自分へのご褒美としても、ぜひ候補に加えたいモデルです。興味がある方は、お早めにチェックしてみてください。