フェラガモ2025年秋冬コレクション：ダンスインスパイアの新境地

フェラガモ2025年秋冬コレクションの魅力

イタリア・ミラノで行われたフェラガモの2025年秋冬コレクションは、デザイナーのマクシミリアン・デイヴィスによって魅力的に仕上げられました。今回は「Tanztheater」（ダンスシアター）からのインスピレーションを中心に、デイヴィスが探求したファッションの新しい視点が注目されています。

ダンスとファッションの融合

このコレクションは、1920年代のドイツ表現主義舞踏を基にしたエレガントさと軽やかさを併せ持つデザインが特徴です。デイヴィスは「その時代は人々が自由を求め、個々の空間を作り出そうとした瞬間でもあった」と振り返り、その精神をコレクションに落とし込んでいます。ストレートカットのシルクスリップには、ドロップウエストのレースアップリケやムートンのコラージュが施され、実用的なレザーウェアやテーラリングのディテールが巧みに織り交ぜられています。

デイヴィスは、日常の中に少しの不穏な要素を取り入れるという考え方が面白いとし、そうすることで微妙な違和感を生み出すことができると述べています。この違和感は1970～80年代の「Tanztheater」の復興運動にも通じるもので、彼らの愛の表現は今も特別な存在として残っています。

愛と憧れの表現

コレクションでは、サテンのトレンチコート、カシミア、光沢のあるレザー、平らに加工されたフェザーなど、さまざまな素材が用いられ、ドイツのシアターにおける愛や自由、情熱について表現されています。デイヴィスの視点が強く反映されたコレクションは、ファッション界に新しい風を吹き込む可能性を秘めています。

1980年代のフェラガモのキャンペーンやアーカイブの影響を受けた豊かな花柄は靴のデザインにも反映されています。オーガンザやレザー、サテンで表現された花々は、アーモンドトウのパンプスやふくらはぎに巻き付けるサンダルのストラップとして具現化され、これまでの伝統を踏襲しつつも、新しい解釈がなされています。

革新的なシューズとアクセサリー

メンズラインでは、クラシックなブローグシューズやブーティが新たな解釈によって際立っており、ジップのツイストや重厚なグレインレザーがその質感を一新しています。また、アクセサリー部門ではオーガンザの花がイブニングバッグにふんだんにあしらわれ、特にアイコンバッグ「Hug」にはベルトを巻き付けた新しいモデルが登場。羽根付きポーチや秋冬らしいムードをもったワンショルダーモデルも加わり、変化に富んだラインナップが魅力を引き立てています。