初映像化作品『架空の犬と嘘をつく猫』の制作が決定
今年でデビュー10周年を迎える佐賀県唐津市出身の作家、寺地はるなさんの人気小説『架空の犬と嘘をつく猫』がついに映像化されることが決まりました。この作品は、昭和の終わりから平成の終わりまでの30年間を舞台にしており、架空の町に住む破綻した家族の物語を描いています。
制作陣は、作家の寺地さんをはじめ、中央公論新社の編集者山本美里さん、映画プロデューサーのヒューマックスエンタテインメント・赤澤賢司さんと共に佐賀県知事の山口祥義さんを訪問し、映像化に向けた意気込みを報告しました。
寺地さんは、「映画化が決まりとても嬉しい。この小説は、私が育った佐賀の場所を思って書いているので、素晴らしい映像に仕上がるだろうと思っています」とコメント。これには知事も、「県出身の作家による初映像化作品が全編佐賀県で撮影されることを心から嬉しく思います。佐賀の美しい風景がどのように映像化されるのか、楽しみです」と期待を寄せました。
撮影予定とロケ地
映画の撮影は2024年4月から始まり、佐賀県内の7市、具体的には小城市、佐賀市、唐津市、武雄市、多久市、伊万里市、嬉野市で行われる予定です。これは佐賀県フィルムコミッションの撮影誘致活動の一環であり、地域活性化のためにも重要なプロジェクトとされています。
書籍の概要とプロット
『架空の犬と嘘をつく猫』は、特異な家族の成長物語です。夢に生きる母、愛人の元へ逃げる父、反発する姉、気まぐれな祖父、比較的まともな祖母など、山吹という少年が彼らの中で育てられていく様子が描かれています。しかし、大人になった山吹が彼らの嘘が明るみに出ると、本当の家族の姿が見えてくるという切ない展開となっています。
書誌情報
- - 書名: 架空の犬と嘘をつく猫(中公文庫)
- - 著者: 寺地はるな
- - 文庫発売: 2020年12月
- - 定価: 660円+税
イベントとサイン会
制作報告の翌日、寺地さんは佐賀市内の「紀伊國屋書店 佐賀店」や「くまざわ書店 モラージュ佐賀店」など計4店舗を訪れ、映画化の報告をしました。そこで限定販売される寺地さんのサイン本も話題となっていますので、ぜひ足を運んでみてください。
寺地はるなさんのプロフィール
寺地はるなさんは、1977年に佐賀県に生まれ、現在は大阪府に在住されています。2014年に『ビオレタ』でデビューし、以降多くの作品を発表してきました。『架空の犬と嘘をつく猫』は2017年に発売され、2020年には文庫化されました。彼女の作品は人々の心を捉えるものばかりで、多くのファンに支持されています。
佐賀県フィルムコミッションとは?
佐賀県フィルムコミッションは、2005年に設立されて以来、映画やドラマ、CMなどの制作を支援してきました。地域との連携を重視した活動を通じて、佐賀を舞台にした映像作品の創出を進めています。地域活性化の一環として、地元住民の参加を促し、新たな魅力を引き出すことが目指されています。