大阪松竹座閉館に寄せる片岡愛之助の熱き想い
2026年5月、その長い歴史に幕を閉じる“大阪松竹座”。103年の歳月は、街と観客、役者たちにとって深く大切な思い出を刻んできました。そして、片岡愛之助さんもその一員として、感謝の思いを演技に込めてきました。彼が主演する特別公演「義賢最期」は、松竹座にとって大きな意味を持つ演目であり、彼の中には特別な思いがあります。
およそ130年前に設立された大阪松竹座は、上方文化の要として位置づけられ、数多くの芸人や役者に愛されてきました。道頓堀の芝居小屋群が姿を消す中、松竹座は令和までその名を惜しみなく響かせ、多くの人々に夢を与えてきました。しかし、2025年の夏、「さよなら公演」を以て、閉館が発表され、ファンや役者たちに衝撃が走りました。片岡千壽さんは、「われわれが生まれたお家がなくなるような感覚で本当に寂しい」と、悲しみを隠せません。
5月に行われた「さよなら公演」。その舞台には、片岡仁左衛門さん、中村鴈治郎さん、松本幸四郎さん、中村獅童さんといった豪華な顔ぶれが揃い、最盛期の大阪の文化を感じさせる演技が展開されました。仁左衛門さんは、「道頓堀には昔、アメリカのブロードウェイのように劇場がいっぱいあった。移り変わりは仕方のないことだが、せめてその一角を残したい」とし、松竹座への感謝を述べました。
また、大阪松竹座の近隣にある飲食店のオーナーや地元の人々もその閉館に対する悲しみを見せており、片岡千壽さんとの長い付き合いのあるバーの店主は、「こんな日が来るとは誰も思ってもいなかった」と語っています。彼らにとって松竹座は、日常の一部であり、文化のシンボルだったのです。
片岡愛之助さんは、「義賢」という役を務め、この役には特別な思いが込められています。実は、彼は2年前に稽古中に大けがをし、その後、この役を封印していたのです。松竹座での「義賢最期」にこそ、愛之助さんはこの役を復活させたいという思いがありました。
千穐楽の5月26日、松竹座は多くの観客で賑わいました。役者たちの思いが交錯する中、仁左衛門さんが最後の挨拶を行い、「必ずもう一度、この道頓堀に松竹座のやぐらが上がると確信しております」と語った瞬間、会場は感動に包まれました。
閉館後も、大阪松竹座の稽古場には千壽さんの姿が見受けられます。仁左衛門さんが監修する新作歌舞伎に取り組んでおり、役者たちの熱き思いは消えることなく続いています。「芝居町の灯は、消しまへん」との言葉が示すように、彼らは次世代へと上方歌舞伎の火を引き継ぐことを決意しています。大阪松竹座の閉館は歴史の終わりではなく、新たなスタートへの挑戦となるでしょう。彼らの情熱が今後どのように展開されていくのか、注目が集まります。
この動きは、テレビ大阪のドキュメンタリー番組「ドキュメンタリー7」にて7月2日(木)深夜1時より放送されます。ぜひご覧いただき、忘れがたい大阪松竹座の歴史を振り返ってみてはいかがでしょうか。さらなる感動が待っています。