MB&Fとブルガリの再会、限定モデルのセルペンティが誕生

ブルガリとMB&Fが再創造したセルペンティの魅力

高級時計の世界に新たな風を吹き込むコラボレーションが、ブルガリとMB&Fの間で再び実現しました。1884年に設立されたブルガリは、その卓越した職人技と革新的なデザインで知られ、「セルペンティ」などのアイコニックなコレクションを展開しています。一方、2005年に設立されたMB&Fは、伝統的な時計作りに新たな視点を持ち込み、手首に装着できる3次元のアートとしてその名を馳せています。この度、両ブランドが手を取り合い、限定モデル「セルペンティ MB&F」が誕生しました。

セルペンティの再解釈

初のコラボレーションによって誕生した「MB&F×ブルガリレガシー・マシンフライング T アレーグラ」の成功を受け、二人のクリエイター、マクシミリアン・ブッサーとファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニが再び共に取り組むことになりました。今回は、特に代表的なコレクションの一つである「セルペンティ」に新たな解釈を加え、1948年に初めて登場したデザインを用いて、MB&Fの精巧な機械工学と融合させました。

このコラボレーションの魅力は、両ブランドの専門知識の結集だけでなく、デザインプロセスの精密さにもあります。ファブリツィオは、何百枚ものスケッチと数十点の3Dプリントモデルを作成し、細部にまでこだわったデザインを追求しました。「セルペンティ MB&F 限定モデル」は、どの方向から見ても美しい仕上がりを追求した、正に複雑な創造物です。

製造における課題

このモデルの製造過程は、曲線のみで構成されたケースが特に難題でした。細やかに設計されたサファイアクリスタルは、バックからムーブメントをのぞき見可能なデザインであり、このデザインが実現するためには高い精度と防水性が要求されました。マクシミリアンは、この複雑さを乗り越えることで、革新的な美しさを持つ逸品が生まれたと語ります。

時計の革新

ムーブメントでは、MB&Fが初めて挑むメカニズムが組み込まれています。特筆すべきは、12時間と60分を示す二つのドームが活躍するところです。これにより、紙のように軽薄なドームが軽量化されつつ、夜間には光る仕組みが加わり、デザインエレメントにサプライズを与えています。

自動車のエッセンスを取り入れて

驚くべきことに、二人のクリエイターは自動車デザインにも影響を受けています。滑らかなボディラインやサファイアクリスタルの微細な段差は、スポーツカーのデザインを彷彿とさせます。このようにして、「セルペンティ MB&F 限定モデル」は時計だけでなく、自動車デザインの愛好家も魅了する作品となりました。

限定版の発売

このモデルは、各33本のリミテッドエディションで展開されます。ブルー、グリーン、レッドのそれぞれ異なるドームを持つ3つのモデルが用意されており、グレード5チタン、ピンクゴールド、ブラックPVDコーティングのステンレススチールから成るケースがそれぞれの個性を引き立てています。

ファブリツィオは、これまでの経験と新たな視点が融合した結果、時計愛好者たちに魅力的な新しい地平線が開かれたと語ります。ブルガリの「セルペンティ」の美術とMB&Fの技術的専門性が融合したこの限定モデルは、コレクターにとって手に入れる価値のある一品です。