アパレル物流研究会がドライバー不足の解決に取り組む
2023年10月、アパレル関連企業の物流問題に対処するために「アパレル物流研究会」が設立されました。この会の目的は、ファッション業界に共通する物流の課題を解決し、持続可能な物流モデルを実現することです。設立から約一年が経った今、新たに株式会社ビームスと豊島株式会社が参画し、さらなる発展が期待されています。
この研究会は、株式会社アンドエスティHD、株式会社バロックジャパンリミテッド、株式会社TSIホールディングス、株式会社ユナイテッドアローズの4社が中心となり、各社が抱える物流の課題を解決するための共創を目指しています。特に注目すべきは、ドライバー不足という運送業界全体の深刻な問題に対する取り組みです。
ドライバー不足と物流の現状
日本の運送業界では、ドライバーの高齢化が進み、2023年現在、平均年齢は52.6歳に達しています。さらに、2011年と比較すると国内の車両稼働台数は約35%も減少しており、収益性の低下から新規参入者も期待できない状況が続いています。このままでは、物流の維持が困難になるという懸念が高まっています。
研究会では、ドライバー不足の解消に向けて、地域間のリソースを集約し、競合企業と連携しながら持続可能な国内輸送網の構築を目指しています。
共同輸送スキームの構築
特に注目されるのが、複数社での共同輸送の実施です。今回新たに導入されたスキームは、以下の二つです。
1. 下関港からの共同輸送
このスキームでは、中国からの輸入貨物を下関港で集約し、フェリー輸送を活用して各社の物流センターに共同で輸送します。これにより、車両の運行回数を半減させ、運行時間とコストの削減を実現しています。
2. 東京港からの共同輸送
東京港で到着した貨物を集約して各物流センターへ共同で輸送する仕組みです。この方式も同様に、運行車両の削減とリードタイムの維持を目指しています。
実証実験の成果
2026年3月から開始された実証実験により、従来の輸送日数を維持しながら、輸送網の最適化が達成されました。具体的には、下関港からの共同輸送では、ドライバーの運行時間を77%削減し、CO2排出量も37%減少しました。また、東京港からの輸送についても、約50%の運行時間短縮が実現されました。
この実証実験の結果は、効率化と環境負荷軽減の両方の観点から、持続可能な物流モデルの有効性を示しています。
今後の展望
研究会は、共同輸送スキームの更なる拡大を目指しています。企業の参加が増えることで、ネットワークが拡大し、より多くの輸送ルートを確保することができます。また、持続可能な物流を実現するために新たな企業の参加を募る予定です。
アパレル物流研究会の取り組みは、ただの一過性のものではなく、業界全体が直面している社会的課題に対する新たなインフラの構築を目指したものです。今後も持続可能な社会の実現に向け、様々な企業との協力による共創が期待されます。