映画制作の未来
2025-12-17 15:19:15

AIが映画制作を変革する時代の幕開け。国際カンファレンス開催の様子とは

AIと映画制作の未来



10月26日、ショートショートフィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)は、AI技術がもたらす映画制作の可能性について国内外の専門家が集結し、国際カンファレンス「AIと映画制作の未来:創造性・協働・倫理の探求」を開催しました。このカンファレンスは、AIが映画制作に与える影響とその活用法を探るもので、作家たちの創造活動におけるAIの役割が焦点となりました。

カンファレンスは、SSFF & ASIAのエグゼクティブ・ディレクターである東野正剛氏の基調講演から始まりました。彼は、過去数年間にアジアの短編映画祭に寄せられるAIを活用した作品が急増していることを明かし、2024年には応募作品の約2%がAI作品になるとの予測を示しました。これは、AIが映画制作の新たなパートナーとして重要な役割を果たしていることを意味しています。

このカンファレンスには、10カ国から映画監督やプロデューサー、研究者が集まり、「創造性と協働」、「倫理と文化的責任」、「AIシネマの未来」という3つのテーマで議論を展開しました。AI技術は、映画制作にどのような変革をもたらすのか、そして創作者としての責任についての議論が繰り広げられました。

AIがもたらす映画制作の新しい風



日本から参加した監督の串田壮史氏は、AIを「対話の相手」として捉え、ただの道具ではなく「創造的パートナー」との関係を強調しました。また、山口ヒロキ氏はAIが今後、創作の意図を具現化する協力者になる可能性があると語りました。これに対し、ドイツからの参加者は、AIの利用における物語の重要性を再確認し、AI技術と人間の創作活動の相互作用を探求しました。

フランスのメディアエグゼクティブ、アレクサンドル・ミシュラン氏は、AIが文化的脅威として捉えられることもあるが、新技術が常に創造性を更新してきたとの見解を示しました。これに対するディスカッションは、新しい表現方法に対する期待感を醸成するものでした。

国際的視点から見たAIの影響



後半セッションでは、各国からの参加者が、自国におけるAI導入状況や現状の課題を明らかにしました。イランのジャヴィッド・ソブハニ氏は、AIが製作の過程でビジネスの役割を果たす可能性にも触れ、セネガルのウセイン・デンベル・ソウ氏は、AIが新たな産業を育む力となり得ることを実感していました。

アメリカのダグラス・モンゴメリー氏はAIの進化に対する期待を示し、アニメ制作が劇的に短縮される可能性があることを予測しました。一方、メキシコのオスカー・パレス氏は、AIが創作の領域において道具として扱われており、著作権制度が整っていないことの問題について語りました。

その後、韓国からのシン・チョル氏も、AIの進化には警戒が必要であるとの意見を述べつつも、この技術が新たな才能にチャンスを与える側面もあると強調しました。

期待される新たな表現の潮流



カンファレンスでは、AIが創造性を奪うのではなく拡張するといった見解が繰り返し語られ、新たな映像表現としてのAIシネマの確立が期待されています。SSFF & ASIAの代表、別所哲也氏は、「技術革新の時代にあっても、物語の力を祝福し続けることが私たちの使命だ」と締めくくり、共創の精神が新たな映画時代を迎えることへの期待を語りました。

この国際カンファレンスは、AI技術が映画制作の未来においてどのように進化し、影響を与えるかを探る重要な一歩となるでしょう。これからの映画制作がどのように進化していくのか、今後の展開に注目です。


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