オーデマピゲ、ジュウ渓谷からインスパイアされた新セラミックを発表

オーデマピゲが提案する新たなセラミックの魅力

最近、オーデマピゲが発表した新しいセラミック素材は、多くの時計ファンやデザイナーの注目を集めています。この素材は「ナイトブルー、クラウド50」と呼ばれ、スイスのジュウ渓谷が提供する夜空の鮮やかな色彩を反映したものです。これは、創業150周年を迎えたオーデマピゲが伝統を大切にしながらも革新を続ける姿勢を象徴しています。

ジュウ渓谷の輝き

ジュウ渓谷は、時計職人たちにとって永遠のインスピレーションの源となってきました。その美しい夜空は、何世代にもわたりデザインを形作る背景として機能してきました。オーデマピゲはこの地域の特色を反映した新しいカラーセラミックを、自社のアイコンである「ロイヤルオーク」および「ロイヤルオークオフショア」モデルに採用しました。この新素材は、時計のあらゆる部品において一貫した色合いを生み出すという課題をクリアしたものです。

“ナイトブルー、クラウド50”の歴史

このカラーは、1972年に発表された初代ロイヤルオーク（モデル5402）の文字盤にインスパイアされて開発されました。オーデマピゲの職人、ジェラルド・ジェンタは、この深い青色に魅せられ、時計のデザインにその色を取り入れました。当時、文字盤メーカーのスターン社が開発した“ナイトブルー、クラウド50”は、保護ニスに特別なブラックを加えることで実現されました。この色合いは、時計の歴史の中で、オーデマピゲのアイデンティティの一部となっています。

製造プロセスと革新

この新しいセラミックの開発は、一筋縄ではいきませんでした。ガルバニック加工では色合いが不均一になることが多いため、新たにPVD（蒸着）加工が採用されました。これにより、より安定した色合いを実現しています。

時計の製作過程では、まず部品が機械加工され、焼結され、さらに仕上げが行われます。特に重要なのは、最終工程としてオーデマピゲの職人による手作業が施される点です。これにより、セラミック製の時計も貴金属に匹敵する高い仕上がりとなるのです。

新モデルの紹介

今回の新作には3つのモデルがラインナップされています。

1. ロイヤルオークダブルバランスホイールオープンワーク（41mm）
このモデルは、時計全体が“ナイトブルー、クラウド50”のセラミック製。サファイアクリスタルの文字盤下に美しく配置されたロジウムトーンのオープンワークムーブメントが際立ちます。

2. ロイヤルオークオフショアクロノグラフ（42mm）
スポーティなデザインが特徴で、セラミック部品がインナーベゼルや文字盤に調和した印象を与えています。新セラミックのブレスレットも初めて採用されています。

3. ロイヤルオークオフショアクロノグラフ（43mm）
ツートーンのデザインが目を引き、強調されたカラーコントラストが特徴。蓄光加工された針やアワーマーカーが一層魅力を引き立てます。

未来への架け橋

オーデマピゲは、この“ナイトブルー、クラウド50”セラミックの発表を通じて、過去と未来を結びつける新しい架け橋を築いています。150年以上続くブランドの伝統と職人たちの技術を誇りに思いながら、さらなる革新を追求し続ける姿勢が際立っています。時計製作の未来を見据えたこの新しい試みは、時計愛好者にとって一つの光明となることでしょう。

オーデマピゲは、常に新たな地平を目指し続けます。その精神にインスパイアされた時計ファンのコミュニティが、今後もさらに広がることでしょう。