舞台『殿様と私』が松本市民芸術館に登場
2025年2月、松本市民芸術館にて、笑いあり、涙ありの舞台『殿様と私』が上演される。この作品は、俳優にして演出家、脚本家でもあるマキノノゾミが文学座に向けて書き下ろしたもので、2007年に初演されて以来、多くの観客の心をつかんできた傑作戯曲である。今回は、マキノ自身が演出を手がけ、個性豊かな実力派キャストが集結した。
日本の西洋化を描く物語
物語は明治19年、日本が急激に西洋文化に触れ、その影響を受けている時代を背景にしている。主人公は白河義晃子爵(升毅)。彼は長年の鎖国から開国しつつある日本の中で、時代に追いつけない悩みを抱えている。家令の雛田源右衛門(松村武)が外務卿の書生に侮辱される事件が発端となり、義晃は伝統的な討ち入りを決意する。しかし、息子の義知(久保田秀敏)は、刀ではなくダンスで反撃することを提案。そうした中でアメリカ人女性、アンナ(水夏希)との関わりが展開される。
魅力的なキャスト
升毅は、時代の波に翻弄される頑固な殿様を見事に演じる。周囲からの敬意、子供たちへの愛情、さらには新しい文化に戸惑う姿など、様々な面をバランスよく表現し、観客に親近感を与える。
水夏希が演じるアンナは、時には凛としていて、また時には純粋な少女のような一面を見せる。彼女の立ち居振る舞いや言動からは、異文化理解の難しさや温かさが感じられ、強い存在感を放つ。義知としての久保田は、冷静な判断力を持ちながらも家族への優しさを感じられる演技で注目を集める。
サポートとして登場する他のキャストも一様に高い技術と個性を持ち、それぞれのキャラクターを巧みに演じている。雛田役の松村が持つ人間味あふれる演技や、水野あやが演じるカネの成長など、全体のバランスが取れた魅力的な作品に仕上がっている。
現代にも通じるメッセージ
『殿様と私』は、ただの歴史的な喜劇に留まらず、現在の私たちにも通じるメッセージを秘めている。特に、文化の変化に対する人々の反応や、それに伴う葛藤などがリアルに描かれている点に注目したい。物語を通じて、観客はさまざまな感情を味わい、自身の在り方について考えるきっかけを得ることができるだろう。
詳細情報
本作は2025年2月13日(木)から16日(日)まで松本市民芸術館小ホールで上演され、その後、大阪の近鉄アート館で28日から3月2日までの予定で続けられる。チケットは全席指定で、一般5,500円、U25(枚数限定・前売のみ)は2,000円となっている。
マキノノゾミのコメントによれば、松本の街の美しさは変わらず、精神的なゆとりが創造的な活動に大切であると感じたとのこと。観客にはこの舞台を通じて申し分のない感動を体験してほしいと期待を寄せている。見逃せない作品となるであろう。
公演概要
- - 作・演出:マキノノゾミ
- - 出演:升毅、水夏希、久保田秀敏、平体まひろ、武居卓、喜多アレクサンダー、水野あや、松村武
- - 日程:2025年2月13日(木)~16日(日)
- - 場所:まつもと市民芸術館 小ホール
- - チケット:全席指定・税込、一般:5,500円、U25:2,000円(枚数限定・前売のみ)
予約や問い合わせはまつもと市民芸術館チケットセンターへ。ぜひこの感動の舞台を体験しに行きましょう。