いずみたくの名曲が舞台に甦るミュージカル「十二人の怒れる男」
2026年2月6日から15日、東京・浅草九劇にて、名作ミュージカル「十二人の怒れる男」が新たな形で上演される。このプロジェクトは、幅広い世代に愛され続ける作曲家・いずみたくの楽曲を基にし、演出には実力派の五戸真理枝が迎えられ、期待感が高まっている。
名作の発掘と再創造
このミュージカルは、いずみたくの遺した未発表の譜面から生まれたもので、数年前に彼の資料整理をしている過程で発見されたものだ。1970年代に専門学校のために書かれたこの譜面は、他に何の情報も記載されていなかった。しかし、その価値は計り知れず、五戸の手でミュージカルとして蘇ることが決まった。
構想とテーマ
五戸はこの作品のテーマを「人間の利己的な本質と互いを思いやることの難しさ」に置いている。陪審員たちの正義感が試されるこのストーリーは、スラム出身の少年が無罪であるかどうか、陪審員たちの議論によって明かされていく。最初の投票結果に異議を唱えた一人の陪審員の影響で、その後の展開が大きく変わる。この緊迫感に満ちた状況を、ミュージカルという形で描くことに意義を見出しているという。
スタッフ紹介
演出:五戸真理枝
五戸は、兵庫県三田市出身で、演劇映像を専攻した早稲田大学を卒業後、小劇場での活動を経て、文学座の座員となった。彼女の手がける作品は、古典から現代作までさまざま広く、今回は自らの経験を活かしつつ、新しい解釈を加える挑戦が求められる。
音楽監督:田中和音
田中は、いずみたくの名作に新たな息吹を与える重要な役割を担っている。彼は、ピアニストとしても活躍し、その作品においてはリズム感とメロディの巧みな編曲で知られている。過去には映画の音楽制作にも携わり、近年はミュージカルの音楽監督としての地位を確立している。
あらすじとドラマの深み
本作の舞台はある殺人事件の陪審室。被告の少年は父親を殺したとされ、陪審員たちは全員一致での結論を求められる。最初の投票では、11人が有罪とした中、たった1人が無罪を支持。彼の意見により、陪審員たちはその後、証拠や証言を再検討せざるを得なくなる。議論が進むにつれて、陪審員たちの先入観や偏見が浮かび上がり、彼ら自身の倫理観が試されることになる。
公演情報
この新たなミュージカル「十二人の怒れる男」は、原作にレジナルド・ローズの名作があり、いずみたくの素晴らしい楽曲が彩る。本作は、脚本・演出に五戸真理枝を、音楽監督に田中和音を迎え、オールスタッフの主催で実現する。
- - 日程: 2026年2月6日(金)〜15日(日)
- - 会場: 浅草九劇(東京都台東区浅草2-16-2)
この舞台は、演劇ファンだけでなく、音楽ファンにとっても見逃せない作品となること間違いなしだ。いずみたくの音楽と五戸の演出が生み出す、心揺さぶる瞬間をお見逃しなく!