国立映画アーカイブ新作公開のお知らせ
国立映画アーカイブが運営するWEBサイト「フィルムは記録する ―国立映画アーカイブ歴史映像ポータル―」では、2025年12月26日(金)16:00より新たに30作品が公開されることが発表されました。このサイトでは、国立映画アーカイブが所蔵する日本の文化や記録に関する映画作品が視聴可能で、これまでに284作品が公開されています。今回の新作により、さらに多くの歴史的映像を楽しむことができるようになります。
このプロジェクトは、日本の近現代における多様な文化や記録映画を広く共有することを目的としています。また、約9万本に及ぶ所蔵フィルムの中で、特に日本の文化や歴史を反映した実写作品に焦点を当てています。これにより、視聴者は過去の日本社会の姿や人々の生活を鮮明に感じ取ることができるでしょう。
新たな30作品の内容
今回公開されるのは、1927年から1944年の間に撮影されたサイレントの文化・記録映画です。具体的には、満洲国に関連する歴史的場面、昭和三陸地震時の陸軍倉庫爆破事故、各種産業の製品に関する映像、さらには戦時中の教材映画など、多様な視点から日本の歴史を捉えた作品が揃っています。
以下に、公開予定の作品の一部をご紹介します。
1. 『朝日は輝く[抜萃]』
大阪朝日新聞が創刊50周年を記念し、日活に依頼して制作された長篇劇映画『朝日は輝く』の抜粋版です。新聞社内の様子や印刷プロセスなど、当時の文化を知る上で貴重な映像です。
2. 『枚方陸軍倉庫爆破』
日中戦争のさなかに発生した枚方市の陸軍倉庫での大爆発を記録した作品で、当時は一般に公開されていなかった貴重なフィルムです。
3. 『滿洲國皇帝陛下御訪日』
1935年に行われた満洲国皇帝溥儀の日本訪問の様子を記録した映像。東京駅での昭和天皇との対面や、京都での行事が捉えられています。
4. 『硬質陶器』
戦前の人気輸出品、硬質陶磁器の生産工程を紹介する教育映画です。職人たちの技術が述べられ、映像としての美しさも楽しめます。
5. 『本鄕より駒場への移轉式』
1935年の東京帝国大学農学部と旧制第一高等学校の敷地移転式を記録しており、行進中の街の様子も見どころです。
6. 『奈良縣田原村』
農村の教化活動に焦点を当てたこの作品は、奈良県田原村の成功事例を伝え、その歴史的背景を知る手助けをします。
まとめ
新たに公開される30作品は、日本の歴史や文化に対する理解を深めるための素晴らしい機会です。これらの映像を通じて、激動の時代を生きた人々や社会の実像を体験し、視聴者がより多くの歴史的な視点を得られることを期待しています。
この新作公開は国立映画アーカイブの取り組みの一環であり、文化や記録映画の魅力を幅広く伝える重要な一歩です。ぜひこの機会に、WEBサイトにアクセスして歴史に触れてみてください。