獺祭が奏でる未来
2025-05-22 12:54:53

音楽と共に醸造された日本酒「獺祭 未来を作曲」発表の裏側

音楽と共に醸造された日本酒「獺祭 未来を作曲」



2025年の大阪・関西万博に向けて、オーストリア連邦産業院と旭酒造が協力し、新しい形の日本酒「獺祭 未来を作曲」を発表しました。この特別な日本酒は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏した楽曲を聴かせることで、醸造過程において独特の風味を生み出しています。

製造の軌跡


このプロジェクトは、2024年4月に始まりました。オーストリアのハラルド・マーラー総裁が旭酒造を訪れ、共同製造に向けた覚書を交わしたのがキッカケです。その後、ウィーン・フィルハーモニーのメンバーと日本センチュリー交響楽団が手を組み、7月には名曲「入り江のワルツ」のレコーディングを行いました。

10月になると、オーストリアから届いた音源を元に、旭酒造が獺祭の発酵タンクに音楽を聴かせる作業が始まりました。この過程は、タンク内の酵母に振動の影響を与え、酒質に新たな魅力を加えるものでした。こうして、2025年3月に完成した「獺祭 未来を作曲」は、万博オーストリアパビリオンでの販売開始を迎えました。

音楽の力がもたらす変化


「獺祭 未来を作曲」の最大の特徴は、音楽の影響を受けた酒造りです。具体的には、音を通じてタンク内のガスが抜けやすくなり、酵母の動きが変化します。これにより、いつもとは異なる風味と香りを持つお酒が誕生するのです。精米歩合は23%と、通常の「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」と変わりませんが、音楽を聴かせたことで得た独特な酒質は、このコラボレーションの真髄といえるでしょう。

代表者の思い


この企画を進める中で、オーストリア連邦産業院のハラルド・マーラー氏は、「日本とオーストリアは、伝統や品質への敬意を深く共有している」と述べ、互いの国の文化や価値観を結びつける重要性を強調しました。

また、旭酒造の桜井社長は「美味しいお酒は音楽と同じく人間社会に欠かせない存在」と語り、オーストリアとのコラボレーションを通じて国際的な交流や理解を深めることの喜びを表しています。音楽を通じた文化の交わりは、経済にも良い影響を与えると期待されています。

商品情報と販売について


「獺祭 未来を作曲」は、720mlのカートン入りで、希望小売価格は税込8,000円。販売は2025年5月22日から始まり、大阪関西万博の閉幕日である10月13日まで続く予定です。受注や流通方法も調整中で、全国の酒販店や一部ヨーロッパでも取り扱われる予定です。

特別な酒器のコラボレーション


さらに、2024年12月31日には、旭酒造がウィーンを訪れ、高評価の磁器工房アウガルテンやロブマイヤーと連携して、獺祭のロゴをあしらった特別な酒器の製作も進行中です。その美しいデザインと機能性を兼ね備えた酒器は、獺祭をより楽しむための一環として、多くの人々に愛されることでしょう。

このように、「獺祭 未来を作曲」は単なる日本酒にとどまらず、音楽と文化の未踏の領域を開拓する革新の試みです。これを通じて、オーストリアと日本の相互理解が促進されることを期待しています。日本とオーストリア、この二つの国が結びつくことで新たな価値が生まれる、まさに「未来を作曲」する瞬間を楽しみにしています。


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