出所者と雇用主の新たな物語
社会の分断が深刻化する今日、出所者とその雇用主との関係を描いたWEBドキュメンタリーシリーズ『灯りのようなものが、たしかに~ある出所者と雇った人たちの七つの物語~』が、2025年12月1日から配信されます。このシリーズは、UHB北海道文化放送と日本財団の共同制作で、全国7か所を舞台に出所者たちの再出発の物語が描かれています。
物語の背景
日本では、再犯率が47%に達しており、その多くが無職の出所者です。社会とのつながりを失い、孤立した状態から再び罪に手を染めてしまう人々が多い中、このシリーズは彼らに対する偏見を超えた新たな関係性を描くことを目的としています。出所者たちが新たな場所で働き、他者と再びつながりを持つ様子は、希望の光となることでしょう。
様々な舞台で繰り広げられるストーリー
本作は全8話構成で、各話は異なるテーマを持っています。第1話の舞台は大阪の焼肉店。31歳の男性が、受刑後に当時働いていたお店に再び戻る姿が描かれます。続く第2話では、福岡の食品工場が舞台となり、障害を抱えた女性が語る独自の視点から、なぜ人は罪に走るのかを考察します。こうした物語を通じて、社会の多様性と人々の苦悩を垣間見ることができます。
制作チームの想い
本シリーズの制作には、映像プロデュース室の後藤一也監督をはじめとして、岡田敦氏による写真コラボレーションや阿南亮子氏の音楽も大きな役割を果たしています。後藤監督は「人はどんな過去を持っていても再び他者とつながれる」というメッセージを伝えることが、社会を癒す鍵だと信じています。
新たな映像表現への挑戦
本作はUHB北海道文化放送が初めて取り組むWEB発信型ドキュメンタリーであり、地域に根付いた報道文化を反映しつつ、一般には知られていない社会の側面に光を当てることを目指しています。これにより、視聴者に新しい映像表現の楽しさを提供するとともに、現代社会が抱える問題への認識を深めさせることを狙っています。
終わりに
『灯りのようなものが、たしかに~』は、大きな社会問題を扱いつつも、人間の持つ希望や再出発の力を信じる作品です。配信は2025年12月1日より、特設サイトやYouTubeチャンネルを通じて参加できます。全8話、お楽しみに!