ユネスコ「世界の記憶」への新たな申請が決定、次回登録サイクルへ

令和7年11月25日、文部科学省よりユネスコ「世界の記憶」プロジェクトにおける国際登録に関する新規申請案が公表されました。今回、我が国から推薦されたのは、観世宗家伝来の世阿弥による能楽論『風姿花伝』です。この決定は、ユネスコ「世界の記憶」関係省庁連絡会議で行われたもので、国際統括官の下に設けられた審査委員会によって専門的な視点から審査が行われた結果、2件の候補の中から選ばれました。

『風姿花伝』は、能楽の根幹を成す重要な文献であり、このユネスコ登録は日本の伝統文化を世界に広める一助となることが期待されています。申請書は年内の11月末までに提出され、その後は国際的な記録保存の専門家による審査が行われます。この審査を経て、2027年春にはユネスコ執行委員会において登録の可否が決定される予定です。

ユネスコの「世界の記憶」プロジェクトは、文化的および歴史的な価値を持つ文書や記録を、世界中で保存し、普及させることを目的としています。これにより、記憶の共有が促され、人類の文化遺産が保護され、次世代に引き継がれることを目指す活動となっています。

今回の申請が新たな一歩となり、日本の伝統文化に対する理解と大切さがさらに広がることが望まれます。また、ユネスコの活動を通じて多様な文化の価値が認識され、国際的な連携が強まることも期待されます。

文部科学省では、今後もユネスコの活動に協力しつつ、日本の文化を支える取り組みを進めていくとのことです。観世宗家伝来の『風姿花伝』が国際的な評価を受け、新たな登録として認められることを願っています。具体的な審査プロセスやその結果については、追加情報が公開され次第、文部科学省やユネスコの公式サイトを通じて発表される予定です。私たちもその進捗を注視していきたいところです。

この登録申請を契機に、観世宗家の文化的背景や『風姿花伝』の語る内容について改めて関心を寄せる人々が増え、さらなる文化交流が生まれることを楽しみにしています。