KKBOXがMusic Storyと提携し日本語メタデータ強化へ
音楽ストリーミングサービス「KKBOX」は、フランスの音楽メタデータ企業であるMusic Storyと提携し、日本語メタデータの品質を強化する取り組みを開始しました。アジア太平洋地域で展開するKKCompany Japanが推進するこの協業は、音楽体験の向上に寄与することを目指しています。
提携の背景
KKBOXは、台湾や香港、シンガポール、マレーシアといったアジア各国で事業を展開している中、日本市場に特化したメタデータの質向上を必要としていました。Music Storyとの提携により、日本語環境での音楽関連データの正確性が向上し、利用者の音楽発見体験がよりスムーズになることが期待されています。特に、アーティストや楽曲名の表記の統一、ふりがな付与といった基本的な部分から、関連情報の整備にいたるまで、幅広い改善が図られる予定です。
提携のポイント
この提携における主要なポイントは4つです。
1.
日本語メタデータの表記統一と拡充
アーティストや楽曲の別名や表記の揺れ、さらにふりがなを通じて、データの正規化を進めます。これにより、日本語での検索精度が向上し、ユーザーが求める情報へよりアクセスしやすくなります。
2.
横断インデキシングの強化
アーティスト、アルバム、トラックの関連性を強化し、データを最適化することで、カタログの可視性が向上します。これにより、ユーザーは興味を持つ情報へ簡単にアクセスできるようになります。
3.
検索関連性の高度化
日本語特有の語順や同義語に対応し、ユーザーが意図した情報が得られやすくなるようにします。
4.
ローカライゼーションの深化
日本市場ならではの文化的文脈を考慮した分類やナビゲーション設計を行い、ローカルのユーザーとのエンゲージメントを深めます。
これらの取り組みを通じて、KKBOXはユーザーにとってより魅力的な音楽体験を提供することを約束しています。
企業のコメント
Music StoryのCEOであるJean-Luc Biaulet氏は、ローカライゼーションとデータ構造がユーザーエンゲージメントを向上させる重要な要素であると述べ、KKBOXが日本語での音楽発見体験を充実させることに期待を寄せています。彼の言葉に共鳴する形で、KKBOXのマーケティングマネージャーである芹澤裕基氏も、高品質なメタデータの基盤がユーザー中心の音楽体験には不可欠であると強調しました。
今後の展望
KKBOXはこの提携を通じて、日本語における検索機能や推薦システムの強化を段階的に進めていく計画です。メタデータの品質向上はアーティストやレーベルの露出も増やし、ユーザーに新たな音楽との出会いを提供します。
Music Storyとは
Music Storyは、音楽体験を向上させるための高度なメタデータ処理を行う企業です。フランス・リールを本拠地に、50カ国(13言語)という広範なネットワークを持ち、それぞれの市場に適したメタデータを提供しています。
KKBOXについて
KKBOXは、アジアで有数の音楽サブスクリプションサービスであり、現在1,200万人以上の利用者を誇ります。最大1億曲以上の楽曲と独自機能を通じて、ユーザーに豊かな音楽体験を提供しています。
KKCompanyは台湾やシンガポールを中心に多様なビジネスを展開しており、音楽配信事業の他にも、動画・ライブ配信ソリューション「BlendVision」などを提供しています。