2023年7月31日、東京国際フォーラムホールAにて、フランスの偉大な音楽家ポール・モーリアの生誕100周年を祝うコンサート『ポール・モーリア“ラヴ・サウンズ”オーケストラ』が開催されました。モーリアは「恋はみずいろ」や「オリーブの首飾り」をはじめとする多くの名曲を生み出し、イージーリスニング界に君臨。日本においても1000回以上のコンサートを行い、数々の名演奏を残しています。この特別なコンサートは、モーリアのオリジナル・スコアを使用した唯一の公式イベントであり、彼の妻イレーヌ夫人の賛同を得て実現しました。
指揮を務める佐々木新平氏は、モーリアを彷彿とさせる優雅なスタイルで、コンサートを盛り上げます。演奏は「LOVE SOUNDS(ラヴ・サウンズ)」をシンボルに日本のトップミュージシャンが集結した「PAUL MAURIAT “LOVE SOUNDS” ORCHESTRA」。この絶妙な組み合わせが、ポール・モーリアの音楽の世界を再現し、観客を魅了しました。
開演は13時。まずはポール・モーリアの生涯を振り返るムービーが流れ、1985年に来日公演の際に書き下ろされた楽曲「オープニング」から始まりました。続く「涙のトッカータ」や「愛の信条」が演奏され、会場は瞬く間にモーリアの音楽色に彩られました。司会の笠井信輔氏は、コンサートが実現するまでの7年の思いを語り、ファン代表の小渕隆志氏がイレーヌ夫人に会うために何度もフランスに足を運んだ努力の末にこの公演が実現したことを伝えました。また、夫人が4月に亡くなったことを悼み、彼らが天上でこのコンサートを見守っていると想像して、さらなる感動を呼び起こしました。
演奏された楽曲には、「そよ風のメヌエット」や「メロディ・フェア〜「小さな恋のメロディ」」、「禁じられた遊び」なども含まれ、特に「ベスト・オブ・メドレー」では「蒼いノクターン」や「薔薇色のメヌエット」などで観客を魅了し、第一部が終了しました。
第二部には、指揮者佐々木氏の幼少期の写真が映し出され、「セブン・シーズ」で盛り上がる中、笠井氏が佐々木氏が着ている衣装がモーリア本人のものだと紹介し、彼も感慨深い表情を浮かべました。アコーディオン奏者田ノ岡三郎氏が登場し、「バラ色の人生」や「パリの空の下」を含むメドレー「パリとアコーディオン」にも観客は心を奪われました。
後半には「エーゲ海の真珠」や「恋はみずいろ」、「オリーブの首飾り」といった有名な楽曲が披露され、会場は大きな拍手に包まれました。アンコールも期待され、再度ステージに登場した佐々木氏とオーケストラが「オリーブの首飾り」を演奏し、コンサートは華やかなフィナーレを迎えました。
笠井氏は公演の最後に「ポール・モーリアのサウンドが日本に鮮やかに蘇った。懐かしさだけでなく、おしゃれで斬新な新たな魅力を感じていただけたのではないか」と語り、聴衆も一体となってその音楽の世界を再確認したことと思います。この特別な公演は、今後も多くの人々に記憶に残ることでしょう。なお、公演会場ではパンフレットが販売されており、記念に手に取ることをおすすめします。
『ポール・モーリア“ラヴ・サウンズ”オーケストラ』は、7月31日にも17時30分からの追加公演や、8月1日には再び東京国際フォーラムで開催され、さらに8月17日には大阪・フェスティバルホールでの公演も予定されています。ファンにとってこのコンサートは、ポール・モーリアの音楽を再発見し、新しい魅力に触れる絶好の機会となったことでしょう。