世界人権デーを記念して、2025年12月12日(金)に『香港、裏切られた約束』という映画の無料上映会が開催される。このイベントは、公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本の主催によって行われ、香港での人権状況に焦点を当てている。開場は17時45分、18時15分からの事前解説を皮切りに、18時45分から本映画の上映、20時45分からは参加者との質疑応答が行われる予定だ。
この映画は、香港での「一国二制度」の下で約束されていた自由と自治が急速に後退している現実を映し出している。特に、2019年に始まった大規模な抗議行動を背景に、表現の自由や集会の自由が著しく制約される中、多くの活動家やジャーナリストが逮捕されるという現象が起きている。このような現状は、国際的な懸念として注目されているのだ。特に、香港国家安全維持法が施行された後の数年間は、市民社会のスペースの縮小が顕著であり、人権問題として深刻化している。
ドキュメンタリー映画『香港、裏切られた約束』は、監督であるトウィンクル・ンアン氏がカメラを携えて、催涙ガスや放水銃の横をかすめるように、市民たちが自由と尊厳を守るために闘う姿を捉えた作品だ。映画は、変わりゆく政治状況の中で権利を侵害されながらも闘い続けた市民の勇気と、その影響を描写している。
上映の前には、香港の歴史的背景や現在の人権状況についての解説が行われる。この解説を通じて、参加者は「自由」や「人権」が香港でいかに脅かされているかを理解することができるだろう。また上映後にはQ&Aセッションもあり、観客の質問に応えつつ、人権や自由についての討論が深まることが期待されている。
さらに、同日1階の画廊では、香港人ジャーナリストのクレ・カオル氏が手掛けた写真展『香港、消された声』も開催されており、デモの激しい様子や市民の表情、抗う人々の姿を鮮明に写し出した作品が展示される。写真展は、自主入場が可能な形で、12月6日から14日までの期間に行われる。特に、12月14日にはクレ・カオルさんによる特別トークも予定されている。
このイベントは、香港での人権問題を考える貴重な機会であり、年々多様化する人権の状況について意識を高める場となることを目的としている。参加することで、自分たちにとって最も重要な『人権』をいかに守っていくべきかを考えるきっかけとなるだろう。参加費は無料で、事前予約が必要なため、興味のある方は申し込みをしてぜひこの重要なイベントに出席してほしい。
主催のアムネスティ・インターナショナルは、1961年の設立以来、世界中で1,000万人以上のメンバーを持ち、人権侵害に対する具体的なアクションを促進してきた組織であり、自由と公正のために声を上げ続けている。これを機に、香港の人権問題に目を向け、自らの権利についても再考してほしい。