武蔵野大学、伝統芸能を学ぶ特別ゼミで「山姥」を深く理解する
武蔵野大学では、新たな学びのための「授業改善トライアル」制度を活用し、文学部日本文学文化学科の学生が伝統芸能の実践を通して深い理解を得る特別ゼミが開かれました。このゼミのテーマは、古くから日本の伝説に登場する「山姥」。この貴重なプロジェクトをリーダーとして、その実施過程、学生の反響、そして伝統芸能の魅力に迫ります。
授業改善トライアル制度とは?
「授業改善トライアル」は、武蔵野大学が平成28年度より導入し、学生のための新しい学びを提供することを目的とした支援制度です。通常の授業では実現が難しい独自のカリキュラムを試行的に実施できるもので、様々なテーマに基づいた授業デザインが採択されています。今年度は、伝統芸能に関する特別ゼミもその一環として実施されました。
ゼミの概要
この特別ゼミは全7回にわたり、能楽や日本舞踊といった日本の伝統文化を深く学ぶ機会を提供しました。学生たちは、まず「山姥」をテーマにした研究発表でその多様な表現を探求し、次にプロの能楽師や舞踊家から直接指導を受けるという充実したプログラムを体験しました。特に印象的だったのは、最終回に行われた「能〈山姥〉の仕舞と狂言語り」や「日本舞踊〈花へんろ〉」の実演鑑賞です。
ゼミの内容詳細
1.
能・歌舞伎・文楽に描かれる「山姥」の理解 (10/2, 9, 16, 23)
- 学生による発表を通じて、各作品における山姥像を議論し、その動向を把握。
2.
能の理解 (10/30)
- 能楽師・佐々木多門氏の指導のもと、能の謡や舞の基礎を学ぶ。
3.
日本舞踊の理解 (11/6)
- 日本舞踊家・西川祐子氏による実技を通じ、日本舞踊の基本を理解。
4.
実演の鑑賞 (11/20)
- 「山姥」の仕舞と狂言の実演をプロ達によって見ることで、古典芸能の迫力を体感。
学びの成果
このゼミを通して、学生たちは「山姥」がどのように日本の文芸作品に描かれてきたのか、その文化背景や象徴性を比較し、深く考察しました。参加した学生の中には、実演が非常に印象的だったという声が少なくなく、「プロの演技と自分たちの理解を比較できたことが貴重だった」との感想が寄せられています。
教員のコメント
ゼミを担当した三浦裕子教授は、「実演を鑑賞する機会は学生にとって非常に贅沢で貴重な体験でした。能楽と日本舞踊の違いを学ぶことで、学生の理解が大きく深まったと感じています」と語っています。また、金子健准教授も「多種多様な実演家による講義があったため、学生たちがそれぞれの芸能の魅力をしっかりと学ぶことができた」と強調しました。
今後の展望
武蔵野大学の「授業改善トライアル」は、今後も多様なテーマでの企画が期待されており、学生たちが自らの興味を追求するための展示の場として機能しています。伝統芸能の魅力を再認識することで、今後もさらなる文化の発展に寄与することを目指しています。
まとめ
伝統芸能を学ぶ特別ゼミは、学生たちにとって日本の文化を深く知るだけでなく、実践を通じてその魅力を実感する機会となりました。こうしたアプローチは、今後の学びのスタイルとして多くの大学に広がってほしいものです。武蔵野大学が今後見せる新たな教育の形にも期待が高まります。