ドキュメンタリー作品『AIが消し去る声』がニューヨークの映画祭で受賞

窪田望監督の新作『AIが消し去る声』、国際映画祭で高評価

現代美術家であり、AI技術に精通する窪田望のドキュメンタリー『AIが消し去る声』が、第11回ICP Entertainment Film Festivalにおいて「BEST HUMANITY FILM」に選ばれました。この映画祭は、ニューヨーク・タイムズスクエア近郊で開催され、作品が掲げる社会的・倫理的メッセージが評価の基準となります。今回の受賞は、AI社会における見えない声や存在する差別の実態を広める重要な一歩となります。

作品の背景と意義

『AIが消し去る声』は、AIの発展が及ぼす社会的影響をテーマにした作品です。特に、AIが排除する「外れ値」に焦点を当て、人々が無視される生活を暴き出しています。この作品製作の中で、窪田は自身の視点を通してマイノリティの声に耳を傾け、社会が見落としている真実を映像化します。

彼は「外れ値の咆哮」というコンセプトを掲げ、AIにおけるデータ処理の過程で、サイレントな声を掬い上げます。窪田は、AI技術が進化する中で、社会的マイノリティの生活が軽視されている現実に疑問を感じ、ドキュメンタリーを通じてこれを問い直します。

窪田望の活動と展望

窪田はAI特許20件を持ち、データ解析やAI技術を20年以上研究してきました。AI開発現場での経験を活かし、作品を通じて社会で不要とされている「外れ値」の価値を再評価しようと努めています。今回の作品が国際映画祭で評価されたことは、AI社会における倫理的問題について国際的な対話を促進することにつながることが期待されています。

国際映画祭での受賞歴

『AIが消し去る声』は、今回の受賞に限らず、すでに4つの国際映画祭で受賞またはノミネートされています。例えば、ロサンゼルスでの「The Atlantis Awards」では最優秀ドキュメンタリー短編映画賞にノミネートされ、また他の映画祭でも注目を集めています。

ワールドプレミアと今後の展示

窪田は、次世代のアートの平台である東京ビエンナーレ2025への参加が決定し、新たなプロジェクトを進めています。このビエンナーレは市民と共に作り上げる芸術祭であり、2025年10月から12月に開催される予定です。窪田は「認知症」をテーマにした作品の企画を進めており、AI社会における多様な認知への問いかけを目指しています。