新たなる音の融合、シングル『Mestre Novo da Guiné』
ジャズとアフロ・ブラジルの文化を見事に融合させたシングル『Mestre Novo da Guiné』が、舞台に新たな風を吹き込む。作曲家でパーカッション奏者のアイアート・モレイラと、ピアニストでプロデューサーのヒカルド・バセラールによるこの共作は、3月27日から各種音楽ストリーミングプラットフォームで配信が開始される。本作は、彼らのアルバム『Maracanós』の先行シングルであり、今後ブラジルやアメリカ、ポルトガルなどで4月にリリース予定だ。
『Mestre Novo da Guiné』について
シングル『Mestre Novo da Guiné』は、アルバム中で唯一の歌詞を持つ楽曲となっている。歌詞はルイス・リマ・ヴェルデによるもので、ヒカルド・バセラールがヴォーカルを担当。バセラールはこの曲を、アフロ・ブラジル文化を代表し、自由のために戦うメストレの人生を歌った作品であると説明している。また、楽曲のミュージックビデオはガブリエル・ラージェが手掛けており、アフロ・ブラジル文化の深い研究を元に制作されたものだ。バセラールによると、この映像は音楽性と映像表現が見事に一致しており、観る者に強い印象を与える。
曲名に登場する「Guiné」は西アフリカの国であり、シングルとアルバムのジャケットアートも、この地域にインスパイアされたものとなっている。アクレ州出身のアーティスト、フェルナンド・フランサの作品は、ブラジルとアフリカの融合をテーマにしており、プロジェクトのために特別に制作された。ジャケットには、ピアノを演奏するバセラールとビリンバウを握るアイアートが描かれており、二人はブラジルを象徴するトゥッカーノをモチーフにした帽子を被っている。
歴史的なアーティスト同士の出会い
両者の出会いは2025年、セアラー州フォルタレーザにあるジャスミン・スタジオで行われたアイルトのアーティスト・イン・レジデンスで実現した。アイアートは、60年以上もの間、ジャズ界の名だたるアーティストたちと共演してきた経験を持っている。本作は、彼が公私ともにパートナーである歌手フローラ・プリムとのアルバム制作の一環で生まれた。音楽プロデューサーの中原仁氏は、バセラールを「名高いアーティストたちとタッグを組むピアニスト・作曲家」と称賛しており、彼らはジョム・トブ・アズレイを介して知り合ったという。
アイアート・モレイラとヒカルド・バセラールの協力
バセラールはアイアートとの共演を通じて、創造の自由と芸術的な交流の重要性を再認識した。彼は「ヒカルドは自身の仕事をよく理解しており、一緒に演奏することができて本当に嬉しかった」と振り返り、1週間にわたってともに演奏し、テーマを練り上げた。「私たちは、商業モデルとは異なる長尺の楽曲を探求する自由を求めている」と語るバセラールからは、二人の音楽に対する深い愛情と情熱が伝わってくる。
今後の展望
シングル『Mestre Novo da Guiné』とアルバム『Maracanós』は、ブラジル音楽の新たなレベルを提示するものであり、国際的なシーンにおけるその重要性を再確認させる作品となるだろう。音楽は世代を超えて伝えられるべきものであり、今回の作品が新たな交流を生むことを期待したい。音楽と映画、歴史を繋げる新たなサイクルの幕開けとなるこの作品は、ブラジルのインストゥルメンタル・ミュージックの魅力を広め、世界中のリスナーにインスピレーションを与えるはずだ。