若手映画クリエイター支援プログラム「フィルム・フロンティア」の新たな挑戦
文化庁の「文化芸術活動基盤強化基金」の支援のもと、映画分野におけるクリエイター育成プログラム「フィルム・フロンティア」が令和6年度より始まります。この企画は、次世代の才能を育むことを目的としており、特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)が運営を担当しています。
昨年11月に開始された公募には50件以上の応募があり、厳正な審査を経て4名の才能ある若手映画監督が選ばれました。彼らは、伴走アドバイザーと面談や事前研修を受けた後、北米、ヨーロッパ、アジアの三拠点へと分かれ、15〜30日の滞在期間中に現地のメンターとともに企画や脚本の開発を進めます。このプログラムは、クリエイターたちが国際的な舞台で自らの作品を磨き、挑戦する機会を提供します。
選ばれた4名のクリエイター
飯塚陽美
北海道出身の映像作家で文化人類学者の卵。東京大学大学院で学びつつ、沖縄の帰還移民についての研究を進める傍ら、映画作品を手掛けています。昨年のぴあフィルムフェスティバルに入選した映画『Lock Up and Down』や、プラハで学んだ『The Taste of Orange』が評価を受け、来年の東京国際映画祭には『Long Long Hair』が上映されます。
佐久間啓輔
1995年生まれの映像ディレクター兼シナリオライター。映画『Funny』は国際的な映画祭での数々の入選を果たし、2023年制作のホラー映画『Rat Tat Tat』が2024年に劇場公開予定です。彼の作品は、刺激的な内容と強いメッセージ性が特徴です。
早川千絵
短編『ナイアガラ』がカンヌ国際映画祭に入選し、長編映画『PLAN 75』では特別表彰を受けた才女。最新作『ルノワール』は2025年に公開予定で、国際共同製作作品として話題を集めています。
山下つぼみ
神奈川県在住の映像作家で、科学的な視点から人間を探求する作品を制作しています。短編『かの山』が国内外で高い評価を得て、初の長編作品の実現を目指して活動中です。
プログラムの意義と期待
このプログラムでは、伴走アドバイザーと共に進める企画・脚本開発が大きな特徴です。帰国後もオンラインでのフィードバックを受けることができ、海外の企画マーケットやフィルムラボに挑戦する準備が整います。加えて、彼らの新たな取り組みが日本映画界の他のクリエイターたちに影響を与え、映画産業全体の進化に寄与することが期待されます。
結語
「フィルム・フロンティア」プログラムは、次代を担う若手映画クリエイターたちに国際的な経験を提供することで、彼らの成長を促すための新たな支援の場となります。これにより、映画界のさらなる発展と活性化につながることを願っています。今後の彼らの活躍から目が離せません!