ふるさと納税に関する調査結果まとめ
メイドインジャパンのファッションブランド「ファクトリエ」が行った調査によると、ファッションに興味を持つ440名のうち、約70%がふるさと納税の返礼品として「衣類や雑貨を選ぶのはアリ」と回答しました。この結果は、これまで主に食品が中心だった返礼品市場に新たな光を当てるもので、ファッション好きがこの制度にどのような期待を寄せているのかが浮き彫りになりました。
調査の背景と目的
ファクトリエは、ふるさと納税制度におけるアパレルや雑貨分野の成長可能性を探るため、ファッションに興味を持つ人々を対象にした調査を実施しました。調査は2025年10月に行われ、全体で4,205名の中から440名のファッション好きが選ばれました。調査の結果は、ふるさと納税の返礼品としてのファッションアイテムに対する認知度や関心の程度を示す貴重なデータとなりました。
食品が依然として主流
この調査によれば、依然としてふるさと納税の返礼品として選ばれるのは「肉類」(56.7%)や「魚介類」(48.8%)といった食品が多く、衣類やファッション関連の商品はわずか5.1%にとどまっています。この現状は、消費者がふるさと納税を利用する際には「無難な選択」を好む傾向を強く反映されています。「食べ物は間違いがない」との意識が浸透していることが明らかになりました。
衣類・雑貨選択者の声と課題
調査に参加したファッション好きのうち272名が衣類・雑貨を選ばない理由として「食品のほうが無難だから」と答えたのが57.4%を占めました。さらに、「サイズが合うか不安である」(25.7%)、「そもそも衣類や雑貨が選べることを知らなかった」(21.7%)という理由も挙げられています。
このように、アパレル関連の返礼品に対する認知不足や選択の困難さが依然として根強いことが、選択肢から外れる原因となっています。加えて、「好きなブランドやデザインがない」「高額に感じる」といった声も寄せられ、ファッションとしての魅力をもっと訴求する必要があることも浮き彫りになりました。
ファッション選択者の高い満足度
しかしながら、ふるさと納税でファッションアイテムを選んだ168名に対する満足度調査では、94%の人たちが「とても満足した」または「満足した」と回答しました。この結果は少数派であったものの、選んだ人々からは高い評価を得ており、ファッション系の返礼品に潜在的な市場があることを示しています。
日本製品への信頼が理由
ファッションアイテムを選ぶ理由として最も多かったのは「日本製・地域の特色があるから」(64.9%)で、続いて「長く使えるから」(59.5%)や「好きなブランドだったから」(55.4%)との回答も目立ちました。消費よりも「価値や共感」を重視する傾向が見受けられ、日本製品への信頼や地域のものづくりを支えたいという意識が強いことが確認されました。
ファクトリエの取り組み
ファクトリエは2025年9月からふるさと納税の返礼品として参加を開始し、これまでOEM生産中心だった地方の工場も、ブランドとして製品を発信できるチャンスを得ています。この取り組みは、ただ単に返礼品を提供するだけでなく、工場のブランド名を広めることによって地域の雇用創出やものづくりへの誇りを高める狙いもあります。これにより、日本のものづくり文化が進化し、持続可能な形で継承されることが期待されています。
まとめ
ふるさと納税における衣類や雑貨の選定は依然として少数派かもしれませんが、ファッションに興味を持つ層がその魅力に気づき始めていることは確かです。ファクトリエの取り組みを通じて、今後さらに多くの人々が日本製のファッションアイテムを選び、地域を支援するきっかけになることを期待しています。