町田康『宇治拾遺物語』重版
2025-01-22 09:28:51

町田康のユーモア溢れる現代語訳『宇治拾遺物語』重版のお知らせ

町田康の魅力が詰まった『宇治拾遺物語』の重版



2025年1月10日、株式会社河出書房新社から町田康さんの現代語訳『宇治拾遺物語』が重版されます。注目を集めるこの作品は、古典文学の面白さを新しい形で提供することで、多くの読者から支持を受けています。

『宇治拾遺物語』は、中世の説話集として位置付けられ、古典としての威厳を持ちながらも、町田康によって現代的にアレンジされています。この作品は、2015年に『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集』の一部として発表されて以来、常に話題をさらってきました。特に、彼のユーモア溢れる訳は多くの読者の心を掴み、古典文学に対する敷居をぐっと下げる役割を果たしています。

2024年4月には、河出文庫「古典新訳コレクション」として単独で販売される予定で、より手軽に持ち運べる形でリリースされることとなります。この現代語訳は、「電車で読むと危険」と自称されるほどの笑いの要素が詰まっており、下ネタ満載の表現からも意外性を感じさせるものとなっています。特に大学生や若い社会人を中心に広がりを見せているようです。

町田康さんは、古典作品を独特の視点で現代に生かす作家として知られています。過去には『ぎけいき』や『口訳古事記』なども手掛け、各作品で印象的な新訳を具現化してきました。彼の言葉のセンスは、古典から現代へ橋渡しする力を持ちあわせ、その結果、多様な読者層からの支持を集めています。1月19日放送の「NHK短歌」では、町田さん本人が「奇怪な鬼に瘤を除去される」を題材に語り、作家の尾崎世界観さんや歌人の大森静佳さんとともに観賞し、大いに盛り上がりました。大森さんはその際、「グルーヴ感溢れる現代語訳」と称賛しています。

作品から切り取られた一節では、鬼たちの宴会風景が描かれ、非常にリズミカルでありつつもユーモアたっぷりな場面に、非日常感を感じることができます。お爺さんが鬼たちの踊りを見学するというシーンでは、滑稽でありながらも、共感できる要素が伝わってきます。このように、町田さんの現代語訳はただ古典をなぞるだけでなく、そこに新たな息を吹き込んでいます。

町田康さんは、1962年生まれで、数多くの受賞歴を誇る著名な作家です。「きれぎれ」で芥川賞、『告白』で谷崎潤一郎賞などを受賞し、その執筆活動は多岐にわたります。『くっすん大黒』『ホサナ』『宇治拾遺物語』といった作品は彼の文才を示す一例です。古典文学の魅力を存分に引き出しながら、笑いの要素を盛り込んでいる町田康さんの作品、ぜひ多くの人に楽しんでもらいたいです。

重版を祝うオビには、有名翻訳家の岸本佐知子氏からの絶賛コメントも掲載され、これからの時代における古典文学の新しい楽しみ方を示唆しています。古典を扱った作品に、こんなに笑いが詰まっているとは思いも寄りませんでした。これからも、町田康さんの新しい世界をより多くの人々に楽しんでいただきたいものです。


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