ナショナル・シアター・ライブ『インター・エイリア』が問いかける母の葛藤
12月26日(金)に公開されるナショナル・シアター・ライブ『インター・エイリア』は、今日の社会における女性の複雑な立場を繊細に描く作品です。本作では、判事としての使命を果たしながらも家庭での育児に奮闘する女性、ジェシカが主人公です。
この物語は、母親であることと、仕事を持つ女性としての役割の両方に強いプレッシャーを受けながら、再び立ち向かうジェシカの姿を描いています。彼女は、完璧な母親であることを求められ、さらに男性支配の社会において仕事の責任も背負い、日々葛藤し続けます。ある出来事を契機に、彼女は親としての責任と判事としての道義的な選択の間で揺れ動くことになります。
観ることで生まれる問い
作家スージー・ミラーは、本作を通じて「良い母親とは何か?」「我々はどのように行動すべきなのか?」という問いを全ての親や育ってきた人に投げかけています。劇を観た後には、きっとあなたの心にも何かが響くことでしょう。観客の感想も、作品の感動を物語っています。
医師のみさとは、現代の女性が背負うさまざまな期待やプレッシャーを感じ、観劇中に心の痛みを体験しました。彼女は、「この痛みを共に抱え、語り合うことに意味がある」と強調しています。一方、同じく医師のたかおは、父親の役割に苦悩するさまを描く中で自らの姿を重ね、「希望と絶望」を感じたとコメントしています。
多様な視点からのメッセージ
小川たまかは、「もしも身近な人が“加害者”になったら?」という観点から、作品が問いかける重みを感じ、この映画のラストシーンの素晴らしさに触れました。文筆家の清田隆之も、作品を通じて我々が直面するべき問題を再認識させられたと述べています。
また、助産師や性教育YouTuberのシオリーヌは、我が子の知られざる一面に直面する母の葛藤を描いたこの作品を通じて、生き抜く勇気を感じたと語っています。最後に漫画家フクチマミは、国や職域が異なっても共感できる女性の葛藤を描いた作品と称賛しました。
先行上映イベントに参加しよう
なお、公開前日の12月25日(木)には、TOHOシネマズ日比谷にて先行上映イベントが行われます。フクチマミと明治大学教授の井上優さんがトークを繰り広げる予定です。映画を観た後に、彼らの意見や感想を聞いてみる絶好の機会をお見逃しなく。
先行上映イベント概要
- - 日時: 12月25日(木)18:30開始(トークは本編上映後)
- - 場所: TOHOシネマズ日比谷
- - ゲスト: フクチマミ(漫画家・イラストレーター)、井上優(明治大学文学部教授)
- - 座席購入: 12月22日(月)24:00〜TOHOシネマズ日比谷公式サイトで販売開始
公開劇場
『インター・エイリア』は、TOHOシネマズ日比谷をはじめ、全国各地で公開されます。新たな視点で親と子の関係、そして現代の女性が直面する課題を理解するために、ぜひ劇場で作品を体験してください。
作品情報
- - 作品名: インター・エイリア(原題:Inter Alia)
- - 作: スージー・ミラー
- - 演出: ジャスティン・マーティン
- - 上映時間: 1時間52分(休憩なし)
- - 出演: ロザムンド・パイク、ジェイミー・グローヴァー、ジャスパー・タルボット
- - 公式サイト: NTLive公式サイト
母親、職業人、そして一人の女性としての生き様が、多様な視点から描かれる『インター・エイリア』。あなたもこの深いテーマに触れ、考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。観劇後の感想を語り合うことで、さらなる理解が深まることでしょう。