2025年の楽器に関する意識・実態調査
ハルメク 生きかた上手研究所が行った調査によると、50代以上の女性の74.2%が何らかの楽器を経験していることがわかりました。この調査は、全国のハルトモと呼ばれるモニター組織に属する女性562人を対象に、2025年7月24日から7月28日にかけて実施されました。
調査結果の概要
楽器経験者の中で最も多かったのは、ピアノやオルガン、エレクトーン、アコーディオンなどの鍵盤楽器で、63.0%を占めています。この数字は特に50代と60代の女性において高く、続きを共にする音楽の原点となっていることが伺えます。次いで、ギターやベースなどの弦楽器が続いており、こちらも60代女性に多くの経験者が存在しています。
一方、ハーモニカや和楽器に関しては70代の女性からの経験率が高く、長い人生の中で感じてきた多様な音楽体験があることがわかります。
思い出と経験
調査では、鍵盤楽器に対する経験が多くのシニア女性に与えた影響について、苦しい思い出も明らかになりました。自由回答では、「子ども時代、泣きながらピアノをやっていた」「楽器の練習がいつも苦痛だった」との意見が寄せられました。こうした実体験から、楽器の演奏が文化的義務として捉えられ、楽しい音楽として楽しめなかった一面もあったことが窺えます。
新たな挑戦
調査の中で「未経験だが挑戦してみたい楽器」として選ばれたトップ3は、ウクレレ、弦楽器(バイオリン、チェロ、コントラバス、ハープ)、和楽器(琴、尺八、三味線、和太鼓)でした。特にウクレレは、年齢層にかかわらず人気を集めており、「友人とのフラダンスとの関係」「持ち運びが楽」といった理由から、多くのシニア女性が挑戦したいと回答しています。
50代では、和楽器や打楽器、60代以降ではクラシックの弦楽器やオカリナへの挑戦意欲が強いことも特徴的です。また、「お鍋など近くのもので音を楽しむ」といったユニークなアイデアも見受けられました。
音楽活動の可能性
この調査からは、単なる楽器の演奏にとどまらず、音楽活動への幅広いニーズが感じられます。「ストリートピアノ」「ボイストレーニング」「ワールドミュージック」など、多様な音楽体験に対する欲求が存在しており、シニア世代の音楽活動が豊かに広がりを見せていることが分かります。これからのシニア世代は、音楽というコミュニケーションツールを通じて新しい仲間を作り、音楽の楽しさを再発見する機会がますます増えていくでしょう。
専門家の見解
ハルメク 生きかた上手研究所の所長、梅津順江氏は「楽器を通じての音楽体験は、旅行や文化体験との結びつきが重要」と述べています。また、音楽経験があるシニアが仲間を作り、多彩な時間を楽しむ様子は、企業にとって様々な商品開発の可能性を提示しています。特に、教材と楽器を組み合わせる事例が増えることは、シニア市場の新たな芽となるでしょう。
まとめ
今回の調査は、50代以上の女性が楽器を通じて心豊かな音楽生活を追求している姿を浮き彫りにしました。楽器のみならず、音楽そのものを通じた新しい体験がシニア世代の文化の多様性を感じさせます。ハルメクとしては、これからもシニア世代の音楽体験を支援していくことが重要です。音楽を通じて多くのストーリーが形作られることで、人生がより豊かになっていくことでしょう。