伊藤蘭、東京ガーデンシアターでのファイナル公演レポート
昨年8月にスタートした全国ツアーの集大成として、1月25日に東京ガーデンシアターで開催された伊藤蘭のファイナル公演。この模様が4月13日にWOWOWで独占放送されることが決まっていますが、早くもライブの興奮が報告されています。
約5500人の観客を前に、定刻を少し過ぎた頃に会場の照明が暗くなり、迫力あるバンドの演奏が始まります。伊藤は黒のライダースジャケットを身にまとって登場し、「ICE ON FIRE」からコンサートがスタート。続いて投じられたファーストソロシングル「恋するリボルバー」では、オーディエンスも真っ赤なペンライトを揺らし、会場全体が一体となって盛り上がります。伊藤の深い表現力は健在で、特に彼女の最新のサウンドにおける「なみだは媚薬」では、観客が思わず身体を揺らしたくなるようなグルーヴ感を生み出しました。
MCの中で「ランちゃんコール」が響き渡る中、伊藤は懐かしいキャンディーズのヒット曲を披露。本公演のテーマともいえる連続性に満ちた流れは、彼女がこれまで歩んできた音楽の旅を感じさせます。「アン・ドゥ・トロワ」や「やさしい悪魔」などの人気曲を新たなアレンジで再現し、音楽ファンにとってはたまらない体験です。「銀河系まで飛んで行け!」では、観衆を1977年にまでタイムトリップさせるかのように。
その後は衣装を変え、シルバーのラメのオフショルダーのワンピースで登場。ファンキーな「FUNK不肖の息子」から華やかな「明日はもっといい日」、さらに刺激的な「Shibuya Sta. Drivin’ Night」へと続き、幅広い音楽ジャンルを巧みに組み合わせたパフォーマンスが印象を深めます。彼女を支えるバンドメンバーたちの演奏も素晴らしく、特に音楽監督を務める佐藤準(Key)や是永巧一(Gt)、笹井BJ克彦(Bass)など、 経験豊富なメンバーのアンサンブルは圧巻でした。
また、ハイライトでは最新シングル「風にのって~Over the Moon」が登場。彼女の初エッセイのタイトルにもなったこの曲は、開放感あふれるメロディに乗せて心を掴まれるものです。前半のパフォーマンスが終わると、会場は熱気に包まれています。
後半戦は、キャンディーズナンバーを中心にした構成。赤いフリンジのワンピースに着替えた伊藤は、思い出深い曲たちを続けて披露します。「危い土曜日」「その気にさせないで」といった楽曲では当時の熱気が再現され、観客をどんどん引き込んでいきました。そして、名曲「ハートのエースが出てこない」や「春一番」などのヒットメドレーでは、キャンディーズの輝きを追体験する素晴らしい時間が流れます。
そして、圧巻の瞬間は「哀愁のシンフォニー」で紙テープが解禁される場面です。メンバーカラーの紙テープが舞う中、あふれ出る想いが観客を感動の渦に巻き込みます。
再度アンコールで登場した伊藤は、「美しき日々」を歌い上げ、家族である趣里がサプライズで登場した瞬間は、会場全体が感動で包まれました。趣里が見事に歌い上げた「買い物ブギー」に続き、二人のデュエットでの「春になったら」では、希望に満ちた歌詞が響き渡り、素晴らしいエンディングに導かれました。
伊藤蘭のパフォーマンスは、彼女の音楽人生だけでなく、日本の音楽シーンの移り変わりを感じさせるものでした。全25曲が届けられたこの夜のパフォーマンスは、未来への希望と共に、多くの人々の心に深く刻まれることでしょう。