成蹊大学と天祖神社の共同プロジェクト、12年にわたる歌占がついに完成
東京都武蔵野市に位置する成蹊大学と、板橋区南常盤台の天祖神社が手を組んだユニークな共同プロジェクトが、長い年月を経て新たな成果を迎えました。このプロジェクトは、2014年からスタートし、これまでに23種のオリジナル和歌みくじ、通称「天祖神社歌占」を制作してきました。そして今、富士山の神として知られる「富士の神」が参加し、12年の年月を経て、その全容が完成することとなりました。
歌占奉納祭や記念対談が開催予定
完成を祝して、天祖神社では特別イベントが企画されています。その中心となるのが「歌占奉納祭」と和歌の披講。2025年12月27日(土)の14時から行われ、神前に富士の神の歌占が奉納される予定です。この際、小林美香宮司によるご祈祷が行われ、大学院生が制作に関与した歌占が神様のメッセージを伝えます。また、和歌の披講は宮中歌会始披講会の堤公長会長が手がけるため、より一層特別な意味を持つことでしょう。
さらに、2026年には「天祖神社歌占 神さま読本」が発行される予定で、成蹊大学の大学院生による編集・執筆が行われています。この書籍は、天祖神社の神々と和歌の世界に触れるための貴重なリソースとして、多くの参拝者に利用されることでしょう。
歌占の魅力とは
「天祖神社歌占」は、古くから日本に伝わる伝統を基にした新しい形のおみくじです。和歌を通じて神様のお告げが示されるこのおみくじは、過去には巫女たちがその意味を解釈してきた歴史があります。しかし、現代の歌占は吉凶が記載されず、神様のメッセージが直接伝わる新しいアプローチを採用しています。これにより、参拝者は単なる運試しではなく、深い意味を持つ精神的な体験を得られるのです。
富士の神の歌占が新たに加わる
新たに加わる「富士の神」は、歴史的に富士信仰の中心的な存在でした。この神は、江戸時代から人々に信仰され、地域に多くの富士講が形成されました。天祖神社では、境内から見ることができる富士山を意識して、富士の神の歌占が作られたとのことです。この歌占は、伝統に敬意を表しつつ新しい解釈を加えたものであり、神社を訪れる人々にとっての新たな魅力となるでしょう。
和歌披講の文化
和歌披講は、新しく作成された和歌を吟じてからその内容を披露する行為です。古来より続くこの文化は、宮中の歌会などで行われてきた伝統を踏襲しています。まさに文化と歴史が交差する瞬間を目撃できる貴重なイベントとなります。このように、歌占の奉納や披講は、ただの行事に終わらず、文化を継承する重要な役割を果たすのです。
今後の展望
成蹊大学と天祖神社が手を組んだこのプロジェクトは、単なる宗教的な試みを超え、地域文化や教育の発展に寄与しています。12年という長い道のりを経て、新たに誕生した「天祖神社歌占」は、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。参加可能なイベントの詳細は、天祖神社の公式ウェブサイトや関連情報からご覧いただけます。皆さんもぜひこの歴史的瞬間を体験し、和歌を通じて神様との新たな出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか。