特集上映「撮影監督 三浦光雄」開催のお知らせ
国立映画アーカイブでは、映画界に多大な影響を与えた撮影監督・三浦光雄の特集上映「撮影監督 三浦光雄」を2025年4月8日から5月11日まで開催します。この特集では、三浦の代表作を中心に、彼が映画撮影において築いた技術と美に特化した33作品(計31プログラム)を上映します。
三浦光雄の軌跡
三浦光雄(1902年 - 1956年)は、日本映画の黎明期から戦後まで活躍した著名な撮影監督です。彼は美しい構図と陰影の巧みな使い方により、映画撮影をまるで芸術作品のように昇華させました。特に、柔らかい自然光を利用したライティング技術によって、戦前・戦中・戦後の日本映画の中で確固たる地位を築きました。1957年には、彼の業績を称える「三浦賞」が設けられ、多くの新しい撮影者がその受賞者として名を刻むこととなりました。
今回の特集では、無声映画から遺作まで、三浦光雄のすべてのキャリアを振り返る機会となります。上映作品には、1931年の『愛よ人類と共にあれ』や、1956年に製作された『猫と庄造と二人のをんな』など、幅広い時代の作品が含まれています。
技術の革新
三浦はまた、彼の撮影技術においても革新をもたらしました。例えば、彼が手掛けた作品『わかれ雲』(1951)や『朝の波紋』(1952)、『煙突の見える場所』(1953)では、可燃性のオリジナルネガから製作した35mmプリントが上映されます。これにより、三浦が追求した陰影美を、より忠実に再現することが可能となります。これらの作品は、戦後日本の撮影技術の到達点を示す重要な作品群であり、観客は大スクリーンでその美を体感できます。
講演会の開催
また、特集上映に併せて、映画研究者を招いた講演会も行われます。4月12日には、映画研究者の鷲谷花氏が『腰辨頑張れ/嬉しい娘』の上映後に講演し、4月19日には、宮尾大輔氏が『藤十郎の戀』の上映後に三浦光雄の技術について語ります。これらの講演を通じて、参加者は三浦の撮影技術や作品世界への理解を深めることができるでしょう。
開催概要
- - 会期: 2025年4月8日(火)-5月11日(日) ※月曜休館
- - 会場: 国立映画アーカイブ長瀬記念ホール OZU(2階)
- - 詳細情報: 公式サイト
- - お問い合わせ: 050-5541-8600(ハローダイヤル)
- - チケット情報: 詳細は公式サイトでご確認ください。
この機会に、三浦光雄の撮影技術がもたらす美とその魅力に触れてみてはいかがでしょうか。映画ファンにとって貴重な体験となることでしょう。