NTLive『ハムレット』トークイベントレポート
現在絶賛公開中のナショナル・シアターライブ『ハムレット』が、TOHOシネマズ シャンテで続映を記念したトークイベントを実施しました。本イベントには、劇場プログラムに寄稿した河合祥一郎さんと、シェイクスピアプロジェクトを長年牽引してきた井上優さんが登壇し、観客に向けて作品の深掘りを行いました。
現代版ハムレットの魅力
『ハムレット』は演劇界ではお馴染みの作品ですが、ナショナル・シアターが生み出した今回の上演は、等身大の青年ハムレットに焦点を当てています。井上先生は、観客にとって「良い意味で変化球なハムレット」と特別な見方を促しました。特に、主演のヒラン・アベイセケラの演技は「涙しながら笑いも誘う」ものであり、ロマン派の新しいハムレット像を提示しているとのことです。
河合先生も彼の演技を称賛し、「今までのオフィーリア像を一新した女優フランチェスカ・ミルズ」について触れ、彼女の演技が高く評価されている理由を解説しました。この新しい解釈は、観客にさまざまな感情を引き起こし、共感を与えるものとなっています。
演出とオマージュ
また、ハムレットがブロックバスタービデオのロゴが入ったシャツを着用しているなど、演出に込められたさまざまなオマージュも語られました。オフィーリアが天使の羽を身に着けるシーンは、バズ・ラーマン監督の『ロミオとジュリエット』にも通じるものがあると観客は感じ、鑑賞の楽しさが増しました。井上先生は「この作品は考察を促す新しいタイプの『ハムレット』だ」と評しました。
見どころと考察
トークの中で触れられた興味深い点は、ハムレットがポローニアスを殺すシーンにおける道具の選択、つまり本物でない鉄砲を用いる理由です。河合先生は、シェイクスピア作品のリアリティと虚構について言及し、独自の解釈を披露されました。このように、観客が抱く「なぜ?」に対して多様な解釈が可能であることが、この作品の持つ魅力であると強調しました。
トークイベントは大盛況の中で行われ、鑑賞後の観客は新たな視点を得て劇場を後にしました。井上先生からのリピート鑑賞のおすすめがあるように、何度観ても新たな発見が得られる作品です。
続映と次回予告
TOHOシネマズ シャンテでの続映も決まっており、次回のトークイベントは3月7日(土)に開催されます。ゲストとして登場するのは松岡和子さんと柏木しょうこさんです。こちらも要注目です。
「ハムレット」は、シェイクスピアの原作を知ることで、さらに奥深い楽しみ方を提供してくれる作品です。ぜひ劇場で鑑賞し、様々な解釈を楽しんでいただきたいと思います。