近年、デジタル地域通貨の導入が進む中、神奈川県寒川町において新たな試みが始まりました。2025年3月3日から、ローソン銀行ATMを通じて「さむかわPay」への現金チャージサービスが導入されることが決定しました。このサービスは、寒川町商工会との提携により実現したもので、ATMでの現金チャージが可能なデジタル通貨にはこれで4種類目となります。
「さむかわPay」とは、地域の商業振興を目的に寒川町商工会が発行したキャッシュレス決済アプリで、地元店舗での利用を促進するためのポイントシステムも特徴です。町内のイベントへの参加やアンケート回答によってポイントが貯まり、それを加盟店での買い物に利用することができます。このように、地域経済の活性化に寄与する取り組みが評価されています。
全国に広がるローソン銀行ATMは、現在13,500台以上設置されており、24時間365日いつでも「さむかわPay」へのチャージが可能です。これにより、利用者は自宅近くのATMで随時チャージすることができ、急な買い物や急いでいる時にも便利です。また、現金でも可能であるため、これまでのキャッシュレス決済の課題を解決する一助にもなります。
チャージ方法は簡単で、ATMから現金を取り扱う場合、現行機や新型機ともに1,000円単位でのチャージが可能です。ただし、1日あたりのチャージ限度額は10万円と定められているため、利用者はこの点に注意が必要です。また、ローソン銀行ATMではお釣りが出ないため、投入した現金はすべてチャージされる仕組みとなっています。これには、現金を用いた決済の透明性を高める狙いもあると言われています。
さらに、寒川町商工会は、このデジタル地域通貨を導入することで地域の小売店や飲食店などを支援することを目指しています。これにより、地域の商業が活性化し、新しい顧客を獲得するチャンスにもつながるでしょう。特に観光客などは、地域特有の通貨を利用することで、地元での体験を深める手助けとなります。
このように、「さむかわPay」の導入は、地域経済を再活性化させる一手となるだけでなく、アクセスの良さから手軽に利用できることが強調されています。今後も、ローソン銀行はATMサービスの拡充を図り、地域との連携強化を進めていく方針です。私たち消費者にとっても、地域貢献を兼ねた新しい形のキャッシュレス生活が実現される日が待ち遠しいと感じます。