関西民放NHK連携プロジェクトがギャラクシー賞受賞
第62回ギャラクシー賞の贈賞式が行われ、関西の民放6局とNHKが共同で取り組んできた「関西民放NHK連携プロジェクト」が報道活動部門の大賞に選ばれました。このプロジェクトは、2024年に迎える阪神淡路大震災から30年を契機に、地域の記者たちが連携し、災害報道の新しい形を模索するものです。
このプロジェクトは、テレビ大阪を含む関西7局(毎日放送、朝日放送テレビ、関西テレビ、読売テレビ、NHK、そして地域密着型のラジオ局を含む)の若手記者たちが中心となり、震災に関する勉強会を重ねてきました。「守りたい、だから伝える」をスローガンに、共通の告知CMも制作し、震災30年の意義を広く伝える活動を展開しました。この取り組みが「前例のない災害報道の形を模索した」と評価され、大賞を受賞するに至りました。
当プロジェクトでは、特に訴求力の高い「やさしいニュース」という番組を通じて、阪神淡路大震災に関連した特集を放送しています。これにより、震災の記憶を次世代に伝えることが重要であると考えており、地域密着の視点から取材を行っています。
例えば、震災で家の下敷きになった同級生を失った経験を持つ方々の証言や、震災を知らない若手役者と共演した演出家による劇的な内容が、YouTubeチャンネル【テレビ大阪ニュース】で配信されています。これにより、多くの視聴者に震災の記憶を新たにしています。
また、「やさしいニュース」に出演するゲストとして、宇垣美里さんが2025年1月17日に特集を行う予定です。彼女は自身の感想を交えながら、震災に関連する話題について触れ、多くの視聴者にメッセージを届けることが期待されています。
他にも、84歳の店主が震災で店を失いながらも、今もなお週5日でアルバイトを続ける姿や、SNSだけでなくテレビ報道の重要性について意見を交わす企画など、多彩な内容が用意されています。特に、「災害とテレビ」というテーマに基づいて、当時できなかったことや今行えることを30人に聞く特集も話題です。
関西民放とNHKの連携プロジェクトは、震災の記憶を語り継ぎつつ、今後の災害報道における新たな視点を提供する素晴らしい試みです。これからも地域に根ざした報道が続くことで、私たちの防災意識が高まり、より良い社会へとつながっていくことでしょう。隣り合ったメディアが手を組むことにより、地域への影響がより強く、かつ深まりつつあることが伺えるこのプロジェクトの今後の展開にも目が離せません。