グッチの新たな広告キャンペーン
イタリアのラグジュアリーブランド、グッチは2025年秋冬コレクションに合わせた新しい広告キャンペーン「THE GUCCI PORTRAIT SERIES」を発表しました。写真家キャサリン・オピーが手掛けたこのシリーズでは、さまざまな背景を持つ42人のモデルがそれぞれの物語と個性を持って「アイデンティティ」を表現しています。
今回の広告キャンペーンは、そのタイトルが示す通り、ポートレートを通じて見る人々の個性や人間性に焦点を当てています。オピーは単にポーズさせるのではなく、モデルたちの自然体や所作を引き出し、衣服がその人のアイデンティティの一部であることを映し出しています。
衣服は、身に着ける人の個性をフレームとして形作るものであり、ただの素材や形状を超えた存在です。モデルたちの姿勢や動き、さらには髪型や持ち物の使い方までが、その人のストーリーを語る一助となるのです。
多様性から見出されるアイデンティティ
また、このプロジェクトは映像作家リサ・ロヴナーが制作したムービーシリーズとも同時進行で展開されています。このシリーズでは、出演者たちがオープンエンドの質問に対し、自らの言葉で答える様子が収められています。ユーモラスな場面や深い内面的な考察が融合したこれらの映像は、視聴者にとっての「本当の自分」を発見する旅を提供します。
スプレッツァトゥーラの魅力
グッチのこの広告キャンペーンは、ブランドの美学を強調するものであり、特に「sprezzatura(スプレッツァトゥーラ)」と呼ばれるスタイルが中央テーマとなっています。これは「完璧さの中に自然な抜け感を持ち込む」というコンセプトで、2025年秋冬コレクション全体に息づいています。このスタイルを通して、グッチは過去、現在、未来のつながりを反映させることに成功しています。
「THE GUCCI PORTRAIT SERIES」は、見かけの美しさだけでなく、それに宿る感情や存在感までも強調しています。これにより、観る人々が衣服だけでなく、その背後にあるストーリーや感情に目を向けることを促します。
グッチの歴史
1921年にフィレンツェで創設されたグッチは、世界のラグジュアリーファッションの先駆けとして、100年以上にわたり魅力を放ち続けています。現在、CEOのステファノ・カンティーノとアーティスティック・ディレクターのデムナのもと、創造性とイタリアのクラフツマンシップを尊重しながら、ファッションに革新をもたらし続けています。グッチは、ファッションや皮革製品、ジュエリー、アイウェアなどを展開するケリンググループの一員でもあります。
この「THE GUCCI PORTRAIT SERIES」は、ただの広告キャンペーンではなく、見る人を自己探索の旅へと誘う重要な作品です。ぜひその目で、グッチが描くアイデンティティの世界を体感してみてください。