文學界2026年6月号
文藝春秋が発行する文芸誌『文學界』の2026年6月号が、2026年5月7日に発売されました。今回の号では、筒井康隆氏による初のハードボイルド・ミステリ作品「殺し屋はデトロイトから来る」が大きな注目を集めています。この作品では、探偵である犬丸が直面する数々の殺人事件を通じて描かれる独特のミステリの世界が展開され、それと同時に著者の機知や美学が貫かれた内容となっています。
さらに、今号ではほかにも、鈴木涼美による中編「悪い血」、奥野紗世子の「敗北」、福海隆の「ある乳化およびその柔らかい構造」といった新作が紹介されており、多彩な作品が揃っています。
また、特筆すべきは、新たに開始される連載企画です。江國香織さんと金原ひとみさんの往復書簡では、文学の奥深さと生活に潜む殺意を手紙によって対話するスタイルで、読者を引き込むことでしょう。
コナリミサトさんによる「酩酊クラフト」エッセイも見逃せません。お酒を楽しみながら工作をするというユニークな発想から生まれる新しい体験は、読者に新たなインスピレーションを提供するに違いありません。
さらに興味深いのは、小特集として取り上げられる「ブックデザインのこれまでとこれから」です。多摩美術大学の先輩後輩である大久保明子さんと川名潤さんの対談では、ブックデザインの裏側に迫ります。これによって、デザインがどのように文学作品に影響を及ぼしているかを垣間見ることができます。
この号には、書評やエッセイ、詩歌、そして漫画も収載されており、広範にわたる文学の世界を楽しむことができます。特に、青木耕平さんによる書評「多少の非難は覚悟して、 フェルディナンを抱きしめる」というタイトルからは、若い読者へのメッセージが伝わってきます。
さらには、小林エリカ氏の新作や、強力な連載陣が作品を盛り上げています。濱野ちひろ、三好愛、上田岳弘、犬山紙子など、注目の作家陣が綴る作品は、文學界に新たな光をもたらしています。表紙画には守山友一朗さんの作品が採用されており、視覚的にも楽しませてくれることでしょう。
全編を通じて、文學界2026年6月号は、豊かな文学体験を提供する一冊となっています。文学ファンのみならず、多くの読者にとって心温まる作品が詰まった号ですので、ぜひ手に取ってその魅力を感じ取っていただきたいと思います。定価は税込1200円で、A5判のサイズで手に取りやすくなっています。
今後も文學界からの新たな発表にぜひご期待ください。