NOTHING NEWの短編アニメが韓国映画祭で注目
映画制作レーベル「NOTHING NEW」が手掛けた初めての短編アニメーション作品『ハッピー⭐︎eyescream(英題:happy eyescream)』が、この度韓国のソウルで開催されるインディペンデント・アニメーション映画祭「Seoul Indie-AniFest2025」に正式に選出されました。本作はアジアコンペティション部門の「ASIA ROAD」での選出となり、大変嬉しい知らせです。
『ハッピー⭐︎eyescream』のストーリー
本作は、兄からの愛情を求める少女・つみれの視力や視界の変化を通じて、自己認識と他者との関係性を鋭く描く物語です。視覚と精神の交錯をテーマにしたこのアニメーションは、イノセントな一方でダークな要素も持ち合わせており、視ることの本質を再考させる挑戦的な作品として高く評価されています。
主人公のつみれは、唯一視力の良い家族の中で、目が小さいことに悩み続けています。10歳年上の兄を深く愛し、彼の言葉を絶対的なものと捉えながら、兄の彼女や周囲の人々との交流を経て次第に物事の見え方、ひいては自分自身の見方が変わっていく様を描いています。
映画祭「Seoul Indie-AniFest2025」との関係
「Seoul Indie-AniFest」は、韓国・ソウルで毎年開催されるアジアを代表するインディペンデント・アニメーション映画祭です。この映画祭は、独立作家による革新的かつ実験的なアニメーションを集める場として、非常に有名です。2001年から続くこの映画祭は、作家性、自主性、実験性を重視した選考基準で知られ、商業アニメーションと一線を画す作品が多く選出されています。この映画祭は、若手アニメーション作家にとっての登竜門となっています。
岡田詩歌監督のコメント
岡田詩歌監督は「NOTHING NEWのチームと試行錯誤を重ねて作り上げた作品が、アジアの名だたるアニメーション映画祭で評価され、本当に光栄です。前作の実写映画で得た経験を、今回のアニメーション作品に活かすことができました。韓国の皆さまにも楽しんでいただけることを願っています」と述べ、作品に込めた思いを語っています。
岡田詩歌監督の経歴
岡田監督は1996年に東京で生まれ、東京藝術大学大学院の映像研究科でアニメーションを専攻。在学中からエロスや愛、ジェンダーなどのテーマに取り組み、数々の国内外映画祭で評価を受けています。彼女の過去の作品には『ワンダフル千鳥足 in ワンダーランド』や『Journey to the 母性の目覚め』などがあり、各映画祭でノミネートや受賞歴を持っています。
まとめ
「NOTHING NEW」の初の短編アニメ『ハッピー⭐︎eyescream』が、韓国のインディペンデント映画祭に選出されたことは、アニメーション界における大きなニュースです。この作品を通して、視覚の変化がどのように自己認識に影響を与えるのか、新たな視点から考えさせられます。視覚や精神の関係性がどのように描かれるのか、是非多くの方に観ていただきたいです。