2500年前のギリシャ喜劇『平和』が日本に初上陸
2025年の10月17日から19日にかけて、東京都墨田区の両国シアターΧで、うずめ劇場の主催によるギリシャ喜劇『平和』の日本初上演が行われます。この作品は古代ギリシャの劇作家アリストファネスが手掛けた喜劇で、戦後80周年の節目にふさわしいテーマが描かれています。
ドイツ人演出家による新たな解釈
演出を務めるのはドイツ人演出家のペーター・ゲスナー。彼は東西冷戦時代のベルリンで600回以上も上演されたこの名作を、現代の日本で再構築します。ギリシャ喜劇『平和』は、戦乱がもたらした苦悩をユーモアを込めて描き、観客に笑いを通じた批評を促します。
本作は、1962年にベルリンのドイツ座で初演され、長年にわたって親しまれてきた作品です。ゲスナーは、家庭での生活を経て日本に演劇活動を広げ、特に日本における社会的な問題を扱う舞台を作り続けてきました。彼の手によって新たに甦る『平和』の魅力を、ぜひ直接体験したいものです。
あらすじと主要キャスト
物語は、不運が続くブドウ農家トリュガイオスが、平和を求めて神々の世界に冒険に赴くというストーリー。この道中、平和の女神が戦争の神によって囚われの身となっていることを知り、彼は果敢にその解放を試みます。様々な役を演じるアンサンブルキャストには、荒牧大道さん、後藤まなみさん、松尾容子さんをはじめ、注目の若手キャストも参加しています。
また、松下アキラさんや林家きく麿さんといった多彩なゲストも、特別な役割を果たします。特に林家きく麿さんは、落語家としての初挑戦となり、武器商人役に挑むことで新たな魅力を見せてくれることでしょう。
社会的背景と作品の意義
この作品は、ベトナム国際実験演劇祭への招待も決まっています。戦争で多大な苦痛を乗り越えた両国が、この舞台を通じて平和の願いを共有し、国境を越えて真のメッセージを届けることが期待されています。うずめ劇場は、常に社会的テーマを選び作品として具現し、現代日本の問題に切り込む姿勢を示しています。
チケット情報
チケットは現在販売中で、一般5,000円、大学生3,000円、中高生1,000円、小学生は500円というリーズナブルな価格設定がされています。また、カンフェティ会員割引もあり、特にお得に観劇できるチャンスです。
公式サイトから詳細をチェックし、ぜひこの歴史的な上演を見逃さないでください。
このように、2500年前のギリシャの笑いと風刺が現代の日本にどう響くのか、大きな期待が寄せられています。戦後80年、我々が抱えている問題に対する鋭い洞察を伴ったこの喜劇は、きっと多くの人々に新たな思索のきっかけを与えることでしょう。