キダルト市場、約780億円の規模を誇る新たな消費トレンド
近年、子ども向けの玩具が大人たちに人気を博し、キダルトと呼ばれる層が急増しています。株式会社ハピネットが行った新たな実態調査によれば、全国の18歳以上60歳以下の男女の中で、約535万人がキダルト層に該当していると推定されています。この人数を基に算出すると、キダルト市場の規模は約780億円となり、その成長の余地も十分にあることが明白です。
キダルトとは何か?
キダルトは、「Kid(子ども)」と「Adult(大人)」を組み合わせた言葉であり、子どもの頃に親しんだ玩具やキャラクターを大人になっても楽しむ人々を指します。最近の調査によると、ぬいぐるみやコレクショントイといったアイテムが特に人気を集めており、懐かしさや子ども時代の憧れを求める感情が購入動機に大きく影響していることが明らかになりました。
調査結果の詳細
キダルト人口と市場規模
調査によると、過去1年以内に玩具を購入した大人たちの割合は15.8%で、そのうちキダルト商品を購入したのは8.3%。これを推計すると、535.4万人のキダルトが存在することになります。さらに、キダルト層の年間平均購入金額は14,574円に達し、市場全体の規模は約780億円となりました。特に男性30~39歳の層が最も高い平均購入金額を示しています。
購入動機の分析
調査からは、玩具を購入する理由として「懐かしい」という感情が最も多く挙げられました。具体的には、48.6%の人が「懐かしい気持ちになってつい手に取ってしまった」と回答し、次いで「昔から欲しかったけれど子どもの頃は買えなかった」が27.6%となっています。これは、経済的余裕を背景に子ども時代の夢を叶えようとする大人たちの姿が反映されています。
購入アイテムのトレンド
キダルト層が最も購入したアイテムは「ぬいぐるみ」で、購入者の約48.5%がこのカテゴリに属します。加えて、コレクショントイも35.0%の支持を受けていることがわかりました。特に、かつての子どもたちが大人になった今、あの頃の思い出を大切にし、再び手のひらにその感触を取り戻す動きが顕著です。
購入の継続性と満足度
キダルト層における購入の継続性も重要なポイントです。例えば、購入した玩具に対して93.9%が「非常に満足」または「やや満足」と回答しました。このことから、満足度の高い商品が次回の購入につながる好循環が生まれていることが示されています。さらに、91.6%の人が今後も玩具を購入したいと感じており、キダルト市場の拡大が期待されています。
今後の展望
調査結果からは、今後のキダルト市場に対する期待が高まっています。玩具を購入していない層へのアプローチやライフステージの変化による再購入の可能性が見込まれ、さらなる市場の成長が期待されます。子どもたちが喜ぶ玩具が、今や大人の心をも掴む時代が訪れたのです。
私たちの生活はますます多様化し、玩具市場もその流れを受けて進化しています。今後、どのような新たな商品が登場し、キダルト層がどのように変化していくのか、大いに注目していきたいところです。