アセロラ真鯛®が登場
近畿大学と大手食品メーカー、株式会社ニチレイフーズが共同で開発した「アセロラ真鯛®」が、2025年6月27日(金)から、回転寿司チェーン「くら寿司」およびスーパーマーケット「ベイシア」にて販売される。これらの新メニューは、期間限定・数量限定で提供され、健康志向の高い消費者から注目を集めている。
アセロラ真鯛®とは?
アセロラ真鯛®は、強い抗酸化作用を持つアセロラを与えて育てられた真鯛で、旨味が強く、生臭さを抑えた新しい養殖魚である。近畿大学はマダイの選抜育種に長年取り組んでおり、国内で人工飼料を使用した質の高いマダイ苗が生産されている。一方で、ニチレイフーズはアセロラ事業を展開しており、アセロラの搾りかすを副産物として活用し、飼料に組み込むことで新しいエコシステムを確立している。
マダイの旨味は皮や皮下に多く含まれているが、これが生臭さと一緒に残ることが多い。しかし、アセロラ真鯛®は独自の配合飼料を使用することで、臭みを最小限に抑えつつ、旨味を強化している特徴を持っている。この新技術により、アセロラ真鯛®が授けられる食材の質が高まり、提供される商品はまさに画期的と言える。
販売情報
くら寿司では「アセロラ真鯛®湯引き」を取り扱い、皮を残した状態で新鮮味と旨味を前面に押し出し、280円(税込)で提供される。販売期間は6月27日から7月21日までの間で、数量が限られているため、早めの来店が推奨される。ベイシアでは、アセロラ真鯛®を使用した寿司(5貫)やお造り(5切)、さらにサク(100gあたり)として、より手軽に楽しむことができる。
アセロラ真鯛®誕生の背景
日本の養殖業界において、マダイは非常に重要な食材であり、その品質を保つことが長年の課題であった。近畿大学はこの課題を解決するため、2018年からニチレイフーズとの共同研究を開始。アセロラの搾りかすに含まれる強力な栄養素を利用した配合飼料を実現し、これによりアセロラ真鯛®の生産が可能となったのだ。この取り組みは、養殖業の持続可能性の向上にも寄与しており、今後の発展が期待されている。
環境への配慮
アセロラ真鯛®の開発はただ美味しさを追求するだけでなく、食品ロスの削減にも寄与している。養殖魚に必要な栄養素を効率的に補うことで、品質を安定させることが可能であり、これが持続可能な養殖業の道を開く鍵となる。
今後、アセロラ真鯛®の取り組みが広がれば、養殖業界全体に新しい風を吹き込むことが期待されている。おいしさと共に、環境保護の視点も重視されるこの新たなメニューを、ぜひとも体験してみてほしい。