平原綾香が音楽で紡ぐ夢と希望
2025年4月30日、東京国際フォーラムで開催された『第9回 平原綾香 Jupiter 基金 My Best Friends Concert 〜顔晴れ[がんばれ]こどもたち〜 with Orchestra』は、多くの観客を魅了し、音楽を通じての支援の大切さを再確認させる貴重なイベントでした。このチャリティコンサートは、平原綾香が設立した「平原綾香 Jupiter 基金」の10周年を祝うもので、彼女の音楽活動が持つ社会的意義が強く打ち出されました。
音楽による感動を共有
平原の声とオーケストラのサウンドが共鳴する中、彼女と指揮者の渡辺俊幸が初めに登壇。オーケストラの生演奏と共に平原のパフォーマンスが展開され、観客はその素晴らしい音楽に心を奪われました。また、今回の基金が寄付を行う先として紹介されたのは「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」というエンターテインメント活動で、視覚以外の感覚を使って新たな体験を提供することを目的としています。
平原は、自身の父の命日に体験した暗闇での気づきを交え、「そこで父の存在を感じた」という思い出を語りました。彼女が抱える暗闇への恐怖は、このプログラムによって解消され、逆に心が開かれる体験になったと述べました。音楽を通じて、彼女は多くの子どもたちにこの体験を届けたく、寄付を決意したことを強調しました。
ダイアログ・イン・ザ・ダークの意義
続いて、ダイアローグ・ジャパン・ソサエティの代表、志村季世恵が登壇。彼女は、「目が見えない方や耳が聞こえない方の感性を大切にしながら、エンターテインメントを提供している」と述べました。さらに、日本の子どもたちが感じる孤独感についてのユニセフの調査に触れ、ダイアログ・イン・ザ・ダークがいかに多くの子どもに元気を与えているかを力説しました。
ミキティや手話パフォーマーのRIMIも自らの体験を交え、プログラムへの共感を表現。「子どもたちが自由になれるような環境を創り出すために、私たちも努力を続けます」と意気込みを見せました。彼らの情熱に満ちたスピーチは、観客にさらなる感動を与えました。
新たな曲の披露と強いメッセージ
公演は続き、平原は「虹の向こうへ」というテーマソングをパフォーマンスしました。この曲は、彼女が「愛する人たちの健康を祈りながら歌う勇気を与えてくれた」と語るように、深い意味を持つ楽曲です。新曲の初披露も行われ、観客はその瞬間を共有し、彼女のメッセージに耳を傾けました。
第2部では、ダイアログ・イン・ザ・ダークを体験しながら、暗闇の中での演奏がスタート。視覚を活かした音楽体験は、新鮮で新たな感覚を提供し、観客は心から楽しんで聴き入っていました。また、渡辺によるミュージカルメドレーも披露され、平原の多彩なパフォーマンスに大きな拍手が送られました。
平原は最後に、「明るい未来を信じることで開ける扉がある」と自身の体験を語り、コンサートを感動的に締めくくりました。彼女の言葉を胸に、多くの観客は力強い『Jupiter』の歌声に励まされて帰路につきました。
今後の展望
第9回公演は盛況のうちに幕を閉じましたが、平原綾香 Jupiter 基金はまだまだ続きます。今年の10周年では初めての九州公演も予定されており、福岡での開催が控えています。音楽を通じた支援の輪を広げ、社会に貢献する活動はこれからも続けられていくことでしょう。