深呼吸がサウナの「ととのい」に与える影響
最近、株式会社100plus、BREATHER株式会社、株式会社ブレインスリープが共同で行った研究が注目を集めています。この研究では、深呼吸がサウナにおける「ととのい」、つまり心身の調和にどのように寄与するのかを科学的に探求しました。特に、サウナと水風呂、それに休憩の各フェーズにおいて深呼吸に焦点を当て、具体的な効果を検証しました。
研究の背景
深呼吸は自律神経に良い影響を与え、リラックス効果があることが広く知られています。サウナはその特性から、リラクゼーションを強化する場として多くの人に親しまれています。そこで、深呼吸をサウナとどのように組み合わせることで、効果を最大化するかを探るため、都内のサウナ施設で実際に検証を行いました。
参加したのは、サウナ専用のウェアラブルデバイス『SHOWDOWN1』を装着した108人の男性。呼吸コンサルタント大貫崇氏の指導の下、深呼吸法を実践してもらい、その結果をデータとして記録しました。
検証結果
結果として、深呼吸を取り入れることで、水風呂と休憩室における自律神経の活動が活性化し、質の高い「ととのい」が得られることがわかりました。例えば、自律神経の働きを示す指標「ccvTP」において、深呼吸が実施された際には正常時よりも値が高くなりました。これは自律神経の機能が良好であることを示唆しています。
サウナ内での変化
サウナ室では、深呼吸を実施することで交感神経が活性化し、体が熱環境に適応しやすくなる可能性が示されました。逆に水風呂では、深呼吸を行うことで副交感神経が優位に働き、リラックス効果が向上しました。このように、深呼吸はサウナと水風呂の両方で異なる作用を示し、サウナ体験をより有意義なものにしてくれます。
滞在時間の短縮
さらに興味深い結果として、深呼吸を取り入れたことで、サウナ及び休憩室の滞在時間が通常よりも短縮されました。サウナでは約3分、水風呂では約3分半の短縮が確認されました。このことは、呼吸法の改善が自律神経の切り替えを効率的に行え、よりスムーズにリラックス状態に切り替えられることを示しています。
総括
この研究結果は、深呼吸がサウナ浴による自律神経のスムーズな切り替えを促進し、結果的にリラクゼーションの質の向上に寄与することを示唆しています。また、滞在時間の短縮によって、より効率的にサウナを利用できるため、施設の回転率も向上するという実務的なメリットも考えられます。今後は、さらに多くの被験者を対象に安定した研究を行い、異なる施設条件での検証が求められるでしょう。
研究概要
この研究は、2024年12月2日から22日にかけて、複数のサウナ施設で実施され、108人の男性が参加しました。使用機材は『SHOWDOWN1』というサウナ専用ウェアラブルデバイスで、介入方法は大貫崇氏の提案による深呼吸法です。
代表者のコメント
株式会社100plusの加藤容崇CEOは、「深呼吸を取り入れることで、サウナの質が格段に向上することがわかりました。現代人が忙しい中でのサウナの楽しみ方を提案できたことが嬉しいです。」とコメントしています。また、サウナは単に熱さを耐え忍ぶ場ではなく、自分自身を見つめ直す大切な時間であることを強調しています。
この研究を機に、ぜひ深呼吸を意識しながらサウナを楽しんでみてください。