2025年春夏シーズンに向け、イタリアの高級ブランド「フェンディ」が新しいウィメンズ広告キャンペーンを公開しました。写真は著名なフォトグラファー、スティーブン・マイゼルの手によるものです。フェンディのアーティスティックディレクターであるキム・ジョーンズは、デザインの背景にある理念を語り、その根底には現代女性のファッションのルーツを1920年代に見出すという思いがあります。
1925年はフェンディの創業年であると同時に、アール・デコを象徴する国際博覧会がパリで開催された年でもあります。ジョーンズは、この時代の精神を現代に蘇らせながら、服装、デザイン、さらには思想におけるモダニズムの影響を受けているという。このコレクションでは、レディ・トゥ・ウェアやイブニングウェアなどが混在し、実用性と華やかさを同時に追求しています。
フェンディは、女性の力強さに焦点を当て、単に存在するだけでなく「行動する」女性たちを称賛しています。このコレクションでは、動きやすさや快適性を優先しつつ、現代女性のライフスタイルに寄り添った機能的なデザインが特徴です。
全体的に、構造的でありながら柔軟性を持ち、洗練された印象を与えるアイテムが揃っています。特に、緻密に施されたハンドメイドの刺繍は軽やかさを保ちつつ、シルクやオーガンザのスリップドレスに施されています。柔らかなスエードやシアリングのローブは、体を包み込むような快適さを提供し、最高級スエードクロコダイルはTシャツのデザインに高級感をプラスしています。
また、日常的なシルエットでありつつ非凡なスタイルを持つシルクのティードレスや、流れるような動きのあるスリップドレスには、レッドウィングとのコラボレーションによるブーツが組み合わされています。それぞれのブランドの特性を融合させたデザインは、フェンディの独自のカラーパレットや、しなやかな「クオイオ ローマ」レザーが見事に表現されています。1952年以来の定番「クラシックモック」ブーツの構造にもフィーチャーされており、伝統と革新が見事に融合しています。
バッグラインにもこのテーマが反映されており、シンプルでありながら高度な職人技が感じられます。特に「マンマ バゲット」は、従来のスタイルを越えたサイズ感が特徴で、創業者アデーレ・フェンディにオマージュを捧げたアイテムです。また、シルヴィア・フェンディの手が加わったジュエリーライン、フェンディ フィーロも、過去と未来をつなぐ重要な要素となっています。
シルヴィア・フェンディはデザインの重要性だけでなく、品質の価値も強調します。彼女の言葉にあるように、品質こそが次の世代への贈り物であり、フェンディの100年の歴史が証明するところです。品質に対するこだわりは、創業者アデーレ・フェンディの教えによるものであり、まさに時代を超えた愛着を感じさせる要素です。
このように、フェンディの2025年春夏ウィメンズコレクションは、単なる服の枠を超え、時代背景やアイデンティティを反映した芸術作品に仕上がっています。ファッション界におけるより深い理解をともなうこのコレクションは、きっと多くの女性たちの心を掴むことでしょう。期待が高まるフェンディの新作、ぜひその目で確かめてほしいと思います。