特殊詐欺の最新手口とその対策を伝授するラジオ番組が放送
特別防犯支援官として知られる伍代夏子氏がパーソナリティを務めるNHKのラジオ番組『ふんわり』では、特殊詐欺が相次ぐ中、その増加を防ぐための重要な情報が届けられました。2018年より「ストップ・オレオレ詐欺47」として、全国47都道府県警察と共に被害防止活動を行っているプロジェクトの一環として行われたこの放送では、特に目立つ詐欺手口と、その対策が詳細に説明されました。
警察をかたる詐欺の巧妙化
最近、特に多く世間を騒がせているのが「警察をかたる詐欺」で、電話をかけてきた人物が「マネーロンダリングの容疑がかかっている」と告げる手口が増えていると言います。被害者はしばしばLINEに誘導され、その後、ビデオ通話を通じて制服を着た警察官や警察手帳を見せられ、信じ込んでしまうのです。
多田氏によると、このような詐欺では被害者が無実を証明しようと必死になり、つい全ての個人情報を話してしまう傾向があります。「預金額や銀行の情報、さらには実家や職場まで話してしまう」と警告しています。伍代支援官も「本物の警察はLINEを使って個人の情報を伝えたり、ビデオ通話で逮捕状を見せたりすることは絶対にありません」と強調しました。
社会情勢を悪用した新たな詐欺
またSNSを利用した投資詐欺も増加していることが報告されています。特に、著名人の広告を使ってSNSからLINEに誘導し、そこで「儲かった」との投稿を示して偽の投資サイトへ誘導する手口があります。最初は少額の投資で利益を出すことで信頼を得て、徐々に投資額を増やさせていき、最終的には出金ができなくなるという手法です。
さらに、ロマンス詐欺も進化していると多田氏は語ります。「紛争地域にいる外国人を装い、『日本に行きたいが援助を求む』と送金を依頼する」という手口で、多くの被害者が恋愛感情から詐欺に気づかず、親密さを深めていくという現実を指摘しました。伍代支援官は「会ったことのない人と金銭の話を持ちかけるのは危険」と訴えました。
特殊詐欺から身を守るための注意点
伍代支援官と多田氏は、怪しい電話にはすぐに切ること、個人情報を決して教えないこと、警察の正しい行動を理解すること、SNSでの不審な金銭的やり取りには注意すること、そして少額でも怪しい投資はしないことを強調しました。また、優しい性格が詐欺ターゲットになりやすいため、自身の疑念を持つことも重要だとしています。
国際電話に関する詐欺の増加にも注意が必要で、国際電話不取扱受付センターを利用することで、特定の電話を受け取らない対策も可能です。詳細は公式サイトや番号を参照してください。
開催概要
このラジオ番組『ふんわり』は2025年5月14日(水)に放送されました。今後も、このような情報を共有することで、特殊詐欺の被害を防ぐための取り組みが広がっていくことが期待されます。