八王子芸術祭2023
2025-11-21 21:28:24

八王子芸術祭2023「石の記憶」: 祈りと素材が織りなすアートの旅

八王子芸術祭2023「石の記憶 — Memory of Stone」



八王子の工場跡地で開催される「石の記憶」展は、古代から受け継がれる繊維をテーマにした斬新なアート展示です。アーティストの高須賀活良は、徳島での古代繊維に関する調査を通じて、山上の「磐座」という巨石に関する伝説を知りました。この磐座は、太古の人々が祈りを捧げた聖なる場所であり、また、ものづくりの起点ともなっていました。この神聖な空間が、今回の展示の基盤を形作っています。

本展示では、古代の素材から作られた作品や、現代の布を使い、土の顔料と膠で固めて石のように変化させた作品が展出されます。また、その作品を繋ぐのは、徳島の阿波の青石です。八王子という織物の街において、布と石、そして祈りや循環の記憶を再認識する機会となるでしょう。

開催情報


この展示は、11月8日から12月7日までの期間に開催されます。毎週水曜日は休館となり、開館時間は午前10時から午後5時まで。会場となるのは、東京都八王子市中野上町2丁目25−6の工場跡地という特別な場所です。この場所自体が、地域の歴史を物語る重要なスポットです。

アーティスト 高須賀活良


高須賀活良は、大学でテキスタイルを学んだ後、2011年に修士課程を修了し、古代布に対する深い関心を持つアーティストです。彼は日本各地の伝統技法や地方独自の風土を基にした制作や調査を行い、植物や土地に宿る記憶を繊維を通じて表現しています。原材料の採集から始まり糸づくり、染色、織り、造形までを手がける彼の作品は、土地との対話であり、自然から受け取った命を形にして還す循環的思想が込められています。

彼は、「ハタオリマチのハタ印」「レピヤンリボン」といった地域プロジェクトにも携わり、2021年からはFUJI TEXTILE WEEKの企画展ディレクターとしても活躍しています。また、彼の著作『ハタオリ学』は2024年度のグッドデザイン賞を受賞するなど、活動の幅は多岐にわたります。

八王子芸術祭への期待


八王子芸術祭は、2023年からスタートしたイベントで、地域の歴史や自然、文化をバックボーンにしたアート作品群を展示します。この祭典では、アートだけでなく音楽や演劇、ワークショップ、トークイベントなどが予定されており、さらには「マチイロProject」と呼ばれる地域との協働を目的とした多様なプログラムも行われます。

訪れる人々は、アート作品を通じて八王子の風景や時間に触れ、「旅人」として地域の文化に深く触れることができるという、新たな体験が待っています。地域の過去と未来が交差する場所で、私たちの想いも一つの糸として編まれていくのです。

アートによって表現される「石の記憶」を是非、八王子で体験してみてください。心に残る旅の一部として、多くの人々に語り継がれることでしょう。


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