KERACROSS第七弾『シャープさんフラットさん』東京公演開幕!
演劇ファン待望のKERACROSS第七弾が、ついに東京で初日を迎えました。今回はケラリーノ・サンドロヴィッチ(通称KERA)の“半自伝的戯曲”である『シャープさんフラットさん』。この舞台は、2008年にナイロン100℃によって上演された作品の新たな解釈です。演出を担当するのは、前回も出演していたマギー。彼女の深い理解と愛情が注がれ、作品の新たな魅力を引き出しています。
舞台の背景と物語の始まり
物語は1990年代初頭、バブル経済崩壊の波が迫る日本を舞台にしています。東京から車で数時間のサナトリウムが舞台となり、入居者たちがくつろげるスペースが用意されています。ソファやテーブル、談話室を中心に設計された舞台装置は、観客を引き込む美しいビジュアルです。オープニングでは、数人の出演者がリレーのように一言二言台詞を交わし、物語の世界へ誘います。
物語は、柄本時生が演じる主人公・辻煙(ツジ ケムリ)が入居した理由から始まります。彼は小さい頃、バスター・キートンの喜劇映画に影響を受け、その後、複雑な人間関係を抱えながらこのサナトリウムにやってきました。入居者たちはそれぞれが心理的な問題を抱えており、サナトリウムにいる理由も様々です。このシチュエーションが、物語の進行と共に徐々に明らかになっていきます。
キャラクターたちとドラマの展開
ケムリの周囲には、幻想の中に現れる父親(田中俊介)、精神的な問題を抱えた夫婦(安達祐実とマキタスポーツ)、不器用で愛情深い父親像を演じる音波(堀部圭亮)など、個性豊かなキャラクターが集まります。今作は、それぞれの人間関係が複雑に絡み合っており、さらに新たに登場する赤坂(松永玲子)の存在が物語に波紋を広げます。彼女が持つ不穏な空気が、入居者たちの関係に影響を及ぼす様子が描かれています。
見どころは、各キャストたちの演技力です。ケムリ役の柄本は、その危ういキャラクターを巧みに表現し、高梨の演じる美果との葛藤は非常に繊細な描写で感情を伝えています。安達は春奈と母親の二役を演じ分け、観客を圧倒しました。その他にも、トリンドルの南の演技もとても魅力的で、作品全体を引き立てています。
笑いと切なさの融合
劇中には、ケムリが思い描く奇妙な幻想が散りばめられています。ユーモアと同時にほろ苦さを感じさせる展開は、観客に笑いながらも考えさせられる内容です。このような要素が、KERAとマギーのこだわりを感じさせ、観客に強い印象を与えます。人生への探求や“笑い”の価値を深掘りするようなドラマは、観る者に強烈なメッセージを届けます。
上演は東京を皮切りに、名古屋や大阪でも行われる予定です。KERACROSSの新たな一ページを閉じずに、ぜひ観劇をお楽しみに。これからの展開がどのように進むのか、今後の公演に注目です。
公演概要
- - タイトル: KERA CROSS 第七弾『シャープさんフラットさん』
- - 作: ケラリーノ・サンドロヴィッチ
- - 演出: マギー
- - 出演: 柄本時生、高梨臨、安達祐実など
上演スケジュール
- - 東京公演: 2026年6月19日(金)〜7月5日(日) 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
- - 名古屋公演: 2026年7月11日(土)・12日(日)
- - 大阪公演: 2026年7月18日(土)・19日(日)
チケット情報や最新情報は公式サイトで確認できます。ぜひ、この機会に『シャープさんフラットさん』を観劇してみてください。