兵庫・豊岡市の出石永楽館が3Dデジタルアーカイブで文化を体験
兵庫県豊岡市に位置する出石永楽館が、最先端のデジタル技術を用いた3Dデジタルアーカイブとして生まれ変わりました。この取り組みは、株式会社ホロラボの手により実現し、地域文化や観光資源の新たな展開を生むことを目指しています。出石永楽館は近畿地方で最も古い芝居小屋として知られ、その豊かな歴史と文化をバーチャル空間で楽しめる機会が提供されることになりました。
3Dデジタルアーカイブの背景
出石永楽館は1901年に設立され、歌舞伎や新派劇、寄席、活動写真など多様な文化が発信される場として、だんだんと地域に根付いてきました。しかし、時代の移り変わりや娯楽の多様化により1964年に閉館。その後の地域住民の熱意と努力によって、2006年から2008年にかけての復原改修により再びその幕が上がりました。現在でも片岡愛之助さん出演の「永楽館歌舞伎」が地域最大のイベントとして根付いています。
新たなデジタルアーカイブは、この歴史的空間をより多くの人々に知ってもらうための重要な手段と位置付けられています。ホロラボは、個々の文化資源をデジタル化し、観光や地域振興、教育などの分野に活用することで、地域社会のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。
3Dデジタルアーカイブの技術
今回のプロジェクトでは、地上型レーザースキャナやミラーレス一眼カメラ、ハンドヘルド型レーザースキャナなど、複数の先端技術を使用した多様な計測手法が駆使されました。
1.
地上型レーザースキャナ(RTC360) では、建物の外観や内部空間を高精度で点群として記録し、永楽館全体のデータを一体化しました。
2.
ミラーレス一眼カメラ(α7RV) により、多様な角度から約6,000枚の高品質な画像を取得し、データのリアリティを高めました。
3.
ハンドヘルド型レーザースキャナ(XGRIDS Lixel K1) では、狭小空間でも高速度でデータを収集し、歴史的な舞台機構をリアルに再現することができました。
また、生成された3Dモデルはフォトグラメトリや3D Gaussian Splattingを用いて、よりリアルで表現力豊かな空間体験が可能となっています。これにより、バーチャル空間『永楽館VR』が生まれ、2026年には一般公開される予定です。
バーチャル体験の可能性
『永楽館VR』は、PCやスマートフォンのブラウザからアクセスでき、特別なアプリをダウンロードする必要もありません。ユーザーは、URL一つで永楽館内を自由に見学し、舞台や客席をじっくりと観察することが可能です。このように、デジタル空間での体験を可能にすることで、文化財としての価値を未来に引き継いでいくことが期待されます。
出石永楽館は、バーチャル空間を通じて国内外の観光客にこの文化資源を楽しんでもらい、地域振興に寄与することを目指しています。ホロラボの藤原氏は、このプロジェクトに取り組むことで、過去の文化が現代に生き続け、新たな人々に愛される場を提供することができると信じています。
まとめ
出石永楽館の3Dデジタルアーカイブは、文化遺産の保存だけでなく、地域の伝統や文化を広く世に知らしめる重要な試みです。ホロラボは、地域資源のデジタル化を通じて、観光や教育など多方面へと展開していくことに意欲を燃やしており、我々もその歩みを見守り続けたいと思います。