光と映像の交錯
2025-10-22 13:59:35

大阪・関西万博で光と映像が交錯する没入体験『K.L.V』が金賞受賞

大阪・関西万博の新たな魅力『K.L.V』が金賞に輝く



2025年10月14日、大阪・関西万博の幕が閉じた。その中で特に注目を集めたのが、滋賀県ブースの展示『K.L.V (キネティック・ライト・ビジョン)』だ。本展示は、日本空間デザイン賞2025(エンターテインメント部門)で栄えある金賞を受賞した。約半年にわたり約40万人が訪れた万博の中でも、本展示は来場者の心に深く刻まれた体験を提供した。

『K.L.V』は、光のアーティスト松尾高弘氏が創り出した独創的な光のアート装置と、映画監督の岡太地氏が製作した映像作品が見事に融合したシネマティック・インスタレーションである。450個の光球が漂う空間の中で、滋賀の美しい風景が曲面スクリーンに映し出され、来場者はまるで水の中に浸かっているかのような没入体験を楽しんだ。

この展示は、来場者の感覚を刺激するような力強い体験を提供することを目指して設計された。上映が終わるたびに自然と拍手が沸き起こり、SNS上でも称賛の声が相次いだ。「琵琶湖の上を旅しているようだ」「映像が呼吸しているように感じた」といった意見が寄せられ、映像と空間の融合が観客を魅了した。

斬新なアプローチ



このプロジェクトは、岡太地氏の映像制作における経験と、松尾高弘氏の空間デザインのビジョンが一体となって生まれたものだ。岡氏は、「水」をテーマに滋賀の自然や文化、人々の営みを細かに記録し、観客が滋賀の本質を知り、感じることができるような映像を作り上げた。光の球体と映像が重なることで、来場者は視覚・聴覚・触覚で滋賀の深淵な魅力に触れることができ、インスタレーション全体に新たな命が吹き込まれた。

映像制作チームのメンバーには、照明技師の浅川周氏や撮影助手の佐野雄希氏、西林前氏、さらには滋賀在住のカメラマン山崎純敬氏が参加しており、彼らの協力によって完成度が大きく高められた。映像と空間が等価に結びつくことで、観客はただ見るだけでなく、体験の一部となることができたのだ。これこそが今回の受賞の核心であり、多くの来場者がその新しい展示体験に感動した理由である。

岡太地の挑戦と意気込み



岡太地氏は今回の金賞受賞について、「本プロジェクトに関わることができたことを光栄に思います」と述べている。彼にとって、松尾氏との出会いは創造の領域を広げるきっかけとなり、革新的な空間と映像が融合することで来場者に深い感動を提供できたことが、何よりの喜びだと言う。

また、映像制作にあたっては、地域や風景を単に魅力的に伝えるのではなく、来場者が万博を訪れた後も心に残るような情感を、どう表現するかを常に考えていた。琵琶湖の幽玄さやその悠久の物語が、映像を通じて届けられるようなドラマ性を追求し、試行錯誤を重ねながら作り上げていったという。

次のステップへ



展覧会は日本空間デザイン賞の中で選ばれるグランプリ「KUKAN OF THE YEAR2025」の発表が11月21日に行われる予定で、さらなる注目を浴びることになるだろう。その後、彼は映画やドラマの演出にもこの経験を活かしたいと語り、今後の創作活動への意気込みを伺わせた。映像制作の最前線で活躍する岡太地氏のこれからの挑戦に目が離せない。


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