アジアテレビドラマカンファレンスでの洞察
愛媛県松山市で開催された「第17回 アジアテレビドラマカンファレンス」では、株式会社ROBOTおよびP.I.C.S.のプロデューサーが登場し、国際共同制作の未来や海外ロケの重要性について講演を行いました。このカンファレンスは、アジアの製作者や脚本家が集まる国際的なイベントであり、2006年から続くもので、コンテンツ産業の課題について議論し協力関係を築く場として知られています。
国際共演のフレーム
今年のテーマは、「アジアから世界へ~コラボレーション・共同制作の実現」。エンタメ社会学者の中山淳雄氏がモデレーターを務め、ROBOTの小出真佐樹プロデューサーとP.I.C.S.のハンサングンプロデューサーが登壇しました。彼らはそれぞれの経験をもとに、国際共同制作の実践方法や、海外ロケのメリットと課題を語りました。
小出プロデューサーは、企画段階から携わった作品の具体例を紹介し、各国の撮影環境や労働基準の理解の重要性を強調しました。特に、韓国における厳格な労働基準に触れ、「言葉の壁よりも『やり方の違い』を理解することが必要だ」と述べました。文化や制度の相違を事前に認識することの重要性を再認識させる指摘です。
ルーヴル美術館での挑戦
一方、ハンプロデューサーは『岸辺露伴』シリーズを例に取り上げました。この人気漫画を原作とした映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の撮影では、日本とフランスの両国での制作を行い、ルーヴル美術館での撮影にも挑みました。美術館での撮影にあたっては、照明の使用や食事について厳しい規制があり、チーム全体がそれを理解し協力することが不可欠だと語りました。このような実ãesの例は、実写を追求するエンタメ制作の難しさと魅力を感じさせます。
助成金と国際制作の戦略
海外ロケにおいて、助成金制度の重要性も話題となりました。数億円規模の実写作品において、助成金は貴重な後押しになることが多いですが、「助成金のために海外に行くのではない」と両プロデューサーは口を揃えました。作品の演出やリアリティを重視するための選択肢として海外ロケがあると強調しました。
小出プロデューサーは、どの国をターゲットにするかが共同制作成立の鍵であるとし、ターゲット市場の選定がどれだけ重要かを語りました。ハンプロデューサーも制作意義やリスクの見極めについて、制作会社側の立場から意見を述べました。これにより、国際共同制作がどのように機能しているのかがわかります。
IMAGICA GROUPの展望
モデレーターの中山氏から、IMAGICA GROUPとしての国際共同制作に対する姿勢が問われると、小出プロデューサーは、自社のオリジナル映画製作プロジェクトやIPをグローバルに広げる取り組みを紹介しました。一方で、ハンプロデューサーは、P.I.C.S.が進めている韓国との新たな共同制作について言及し、アジア地域における展開の重要性を強調しました。
結び・国境を越えて
最後に、アライアンスにおける成功体験や失敗談を共有しながら互いの文化を理解することがいかに価値のあることかを語り、信頼関係を築くことが成功に繋がると締めくくりました。海外ロケや国際共同制作という大きなチャレンジには多くの準備と調整が必要ですが、作品の質を高めるためには不可欠なプロセスです。
IMAGICA GROUPは、今後もこうした試みに取り組むことで、国際的なコンテンツ制作の多様性と可能性を広げていくことでしょう。